ナノセルロースニュース2022年11月

星光PMC、マリンナノファイバーの株式の85%を取得し子会社化(2022年11月29日)

星光PMC株式会社は、鳥取大学発のベンチャー企業である株式会社マリンナノファイバーの株式の85.4%を、とっとり大学発・産学連携投資事業有限責任組合から取得し、子会社化することを本日付のプレスリリースで発表しました。なお株式の取得は2023年1月11日とのことです。

株式会社マリンナノファイバーは、鳥取大学の伊福伸介教授によって2016年4月に設立された大学発のベンチャー企業です。カニやエビなど甲殻類の外殻やキノコの細胞壁などの主成分であるキチンやその加水分解物を、伊福教授が開発した特殊な加工法でナノ化したキチンナノファイバーの製造と、その関連製品の開発・製造・販売を行っています。2022年3月期の売上は、約3千万円です。

キチンナノファイバーは、水への分散性に優れることに加え、高い保湿性や被膜形成力、抗炎症効果等様々な生理作用があることが明らかにされており、マリンナノファイバーではこれらの機能を活かし、化粧品やペットケア製品などヘルスケアの分野を中心に積極的な事業展開を行っています。一方星光PMCは環境貢献技術を駆使した事業の拡大を推進しており、近年では、木材由来のセルロースナノファイバー(CNF)の開発に注力しています。

キチンナノファイバーは、カニ殻、エビ殻などの従来であれば廃棄される天然材料を有効活用したサステナブルな素材で、星光PMCの方針に合致した新たな素材としてかねてより注目しておりました。キチンとセルロースは非常に似た骨格を有していることから、キチンナノファイバーとセルロースナノファイバーの開発には技術的に多くの共通点があります。一方、その機能の面ではキチンとセルロースの違いに由来した特徴的な性能の違いがあることから、それぞれのナノファイバーが持つ特徴を熟知した両社が協力することで、ナノファイバーがもつポテンシャルを最大限に活かしたアプリケーション開発が可能です。今後は、ナノファイバー技術をコアとした更なる事業ポートフォリオ拡大を進めていくとのことです。

詳細は星光PMCのプレスリリースをご覧ください。

メイン大学、3Dプリンターで作った家を公開(2022年11月22日)

メイン大学のAdvanced Structures and Composites Center (ASCC:先端構造複合材センター) は、完全にバイオベースの材料で作られた初の 3D プリント住宅である BioHome3D を発表しました。

メイン大学のウェブサイト UMaine Newsに掲載された記事によりますと、BioHome3D は、メイン大学とオークリッジ国立研究所の間の、米国エネルギー省のハブ・アンド・スポーク・プログラムからの資金提供を受けて開発されました。パートナーとしてMaine Housing とMaine Technology Institute が参加しています。

面積600平方フィート(56m2)のプロトタイプは、3Dプリントされた床、壁、屋根にCNFを含む木質繊維とバイオ樹脂を使用しています。家は完全にリサイクル可能で、100%木材断熱材で高度に断熱されています。印刷工程の精度向上により、施工の無駄がほぼなくなりました。

メイン大学のASCCは、革新的なBioHome3Dを使用して、住宅不足に対処し、木材関連産業を強化し、人々が安全に生活できる場所を提供して、経済に貢献します。やるべきことはまだありますが、今日の開発は前向きな一歩です。

メイン州では、手頃な価格の住宅が危機的なレベルで不足しています。National Low Income Housing Coalition は、全国的に700万を超える手頃な価格の住宅ユニットが必要であると報告しています。Maine Affordable Housing Coalitionによると、メイン州だけでも20,000戸が不足しており、その数は毎年増加しています。メイン州の低所得者の60%近くが、収入の半分以上を住宅費用に充てています。この状況は、労働力不足とサプライチェーン主導の材料価格の上昇という2 つの課題によって悪化しています。

この技術は、労働力不足とサプライチェーンの問題に対処するように設計されており、自動化された製造とオフサイト生産の使用により、現場での建築と調整に必要な時間が短縮されます。豊富で再生可能な地元産の木質繊維原料を使用して印刷することで、制約のあるサプライチェーンへの依存が軽減されます。これらの資材は、地元の木材管理産業を活性化し、グローバルなサプライチェーンの混乱や労働力不足に対する回復力を高めます。

メイン州が冬の間、BioHome3D がどのように機能するかをテストするために、プロトタイプに熱、環境、および構造を監視するためのセンサーを付加して、ASCC の外にある基礎に設置されています。研究者は、収集されたデータを使用して将来の設計を改善する予定です。
なおBioHome3Dは4つのモジュールとして印刷され、現場に移動して半日で組み立てられました。電気は2時間以内に稼働し、現場に必要な電気技師は1人だけでした。

詳細はUMaine Newsの記事をご覧下さい。

韓国の大学がCNCを使った紙ストローを開発(2022年11月22日)

韓国の西江大学と忠南国立大学の研究チームが、CNC(セルロースナノクリスタル)を用いることで、従来のねばねばする紙製のストローに代わるストローを開発したことが、報じられました。

科学技術情報サイトAdvanced Science Newsに11月21日に掲載された記事によりますと、韓国の大学の研究チームは、液体を吸収してねばねばする紙製ストローに代わるストローを開発しました。

現在用いられている紙製のストローは、紙にポリブチレンサクシネート (PBS) などの生分解性プラスチックをコーティングしていますが、コーティングが不十分で、コーティングのすき間から入った水を紙が吸ってしまい、ストローがねばねばになります。そこで研究チームでは、紙と同じ原料から作られるCNCを、紙とプラスチックコーティングの間の防水シールとして使うことで、この問題を解決を試みました。PBSオリゴマーでCNCを修飾し、このPBS-CNCがコーティング内に均一に分散されるように工夫しました。

このストローは好気性条件下や、海洋環境下で完全に分解されるうえ、炭酸飲料に漬けても発泡が少なくなります。

詳しい内容はAdvanced Science Newsの記事をご覧ください。

ミシガン州政府が発表したInnovation Challengeプログラムにナノセルロース(2022年11月18日)

米国ミシガン州政府は循環型経済を加速するために、NextCycle Michiganが16のプロジェクトを選出したことを発表しましたが、その中にAnn Arbor市のHarvest Nano Inc. によるバイオマス廃棄物の回収と付加価値の高いナノセルロース製品への変換というプロジェクトが含まれていました。

州政府の発表には具体的な内容は記載されていませんが、ナノセルロース・ドットコムの調査では、Harvest Nano Inc.は2021年に設立されたばかりの企業であること、Ann Arbor市にはミシガン大学の本部キャンパスがあることなどがわかっています。

ミシガン州政府によるプレスリリースはこちらからご覧ください。

3Dプリント技術を使った魚や肉の代替品の製造にナノセルロース(2022年11月18日)

3Dプリントの技術を使って、パーソナライズされた魚や肉の代替品を作製する技術を、イスラエルの企業が開発していますが、その材料としてナノセルロースを使っています。

イスラエルのテルアビブでFood Tech II 2022が開催されました。そこで注目された10の技術を、イスラエルのメディアThe Jewish Chronicleが紹介しています。

そのうち、Savor Eat社は、3D プリント技術を使用してロボットで植物ベースのメニューを生産しています。ボタンを押すだけで、その場で一切動物を使わずに、パーソナライズされた魚や肉の代替品を作製することができます。さらに食事の調理方法や、含まれる脂肪とタンパク質の量を選択することもできます。

この製品は、3D 印刷技術、カートリッジ内の植物ベースの成分、および独自の植物由来のナノセルロース成分を組み合わせています。セルロースが成分を結合し、肉のような食感を作り出します。
これによって、消費者が自分の栄養ニーズをコントロールできるようになるとのことです。

詳細はSavor Eat社のウェブサイトをご覧ください。

日本製紙、ヤマハ発動機とCNF強化樹脂の用途開発で連携(2022年11月16日)

日本製紙は同社が開発しているセルロースナノファイバー(CNF)強化樹脂を、ヤマハ発動機の水上オートバイのエンジン部品に用いることを目指して、ヤマハ発動機と連携することを発表しました。

同日付のプレスリリースによりますと、対象となるのは日本製紙が開発中のCNF強化樹脂 Cellenpia Plas®(セレンピアプラス)で、CNFをポリプロピレンに混ぜたものです。この樹脂を使ったエンジン部品を、ヤマハ発動機の水上オートバイの2024年モデルに搭載することを目指しているとのことです。なお現時点では、この樹脂のビジネスベースでの採用事例はありません。

CNF強化樹脂は、ポリプロピレンやナイロン6などの樹脂中へ、CNFを均一分散することにより製造される高強度の新素材で、現在樹脂を利用している部材の軽量化が図れることに加えて、マテリアルリサイクル性に優れるため、プラスチック使用量の削減とCO2を主とした温暖化ガス排出削減につながるそうです。5年以上前から自動車、建材、家電などの分野での利用が期待されていますが、強度やコストに問題があり、本格採用されたものはありません。

NEDOの助成事業によって、2021年に日本製紙富士工場に建設された実証拡張設備は、年間50トン以上のCNF強化樹脂マスターバッチ(CNFの含有率が30~50%)を製造する能力があります。なおCNF強化樹脂は、マスターバッチと樹脂を混ぜることで製造され、最終的なCNFの含有率は5~10%程度になります。

詳細は日本製紙のニュースリリースをご覧ください。

宇宙飛行士が食べるω3脂肪酸をCNCで安定化する研究(2022年11月16日)

カナダのブリティッシュコロンビア大学(UBC)は、宇宙飛行士が食べるω3脂肪酸のカプセルを長期間安定化するために、セルロースナノクリスタル(CNC)を使うことを検討してしています。

科学技術情報サイトEurekAlert! に11月14日に掲載された記事によりますと、ω3脂肪酸は精神の安定に不可欠な成分で、食事にω3脂肪酸が2、3日含まれていないと、人間の脳の働きは低下するそうです。ω3脂肪酸は体内で合成できないため、魚類や亜麻仁油などの食品から摂取する必要があります。

しかしほとんどのω3脂肪酸カプセルの有効期限は2 年しかありません。宇宙ミッションはそれよりも長く続く可能性があり、その間、自給自足する必要があります。また期限切れのω3脂肪酸サプリメントには発がん性がある可能性が示されているため、貯蔵には注意が必要です。

このような状況のもとで、UBCでは成分メーカーのイングレディオンと協力して、ω3脂肪酸をカプセル化する新しい方法を開発しており、その方法の一つがセルロースナノクリスタル(CNC)を使うことです。CNCは木材繊維に由来する非常に小さな結晶で、油と水の混合物を安定させることができます。CNC は、ω3脂肪酸やその他の必須脂肪酸を含むエマルションの天然由来の添加物として使用されることで、有人宇宙飛行のための食事と栄養の改善に役立つことが期待されています。

詳しくはEurekAlert!の記事をご覧ください。

伊藤忠商事、利昌工業など、CNFを使った箏爪を事業化(2022年11月14日)

伊藤忠商事、利昌工業と、株式会社三島屋楽器店(新潟県長岡市)は、世界で初めて、象牙に近い音色を奏でるセルロースナノファイバー(CNF)箏爪を製品化したことを発表しました。

同日付の伊藤忠商事のプレスリリースによりますと、原料となるCNF成形板は、利昌工業が持つ特殊技術でCNFを板状に成形した軽量・高強度な素材で、アルミニウムの約半分の重量で、ほぼ同等の強度を持つものです。伊藤忠商事と利昌工業は、CNF成形板が象牙に近い質感を持つことに注目し、共同で象牙代替素材の開発を進めていました。

象牙は、ピアノの鍵盤など様々な用途で使用されていましたが、1990年にワシントン条約で国際取引が原則禁止されたことなどから、多くがプラスチック製品などに代替されました。日本では、和楽器の部品など「音響特性」が必要とされる用途で十分な代替素材がないことなどから、引き続き法規制に基づく管理下に限り国内取引が認められていますが、今後は入手困難となる懸念があります。

そこで、江戸時代に創業した和楽器店である三島屋楽器店とともにこの素材を評価し、三島屋楽器店が従来の象牙加工技術を用いてこの素材を箏爪に加工し、販売するものです。

この素材はCNF成形板に樹脂を含浸して作られています。素材となるCNF成形板が従来の象牙加工技術で加工できることから、今後は、三味線の撥(ばち)など、引き続き象牙が好まれている和楽器部品での事業化も検討するとのことです。

詳細は伊藤忠商事のニュースリリースをご覧ください。

なおCNFを使った和楽器の部品としては、中越パルプ工業が竹から製造したCNFを使い、Sera Creations(神奈川県逗子市)から発売されている箏柱(ことじ)に次いで二番目となります。箏柱は箏(こと)の胴の上に立てて弦を支え、その位置によって音の高低を調節するもので、象牙から作られたものが用いられてきました。

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株式会社GRACE、横浜国立大学とCNF活用した新製品開発へ(2022年11月14日)

楽器事業やフードテック事業を手掛ける株式会社GRACE(横浜市)が、横浜国立大学と共同研究契約を締結し、コーヒー粕をはじめとした食品廃棄物由来のセルロースナノファイバー(CNF)を活用した新製品開発の共同研究を進めることが、同日発表されました。

プレスリリース配信サービスのPR Timesで同日配信された内容によりますと、株式会社GRACEは、横浜国立大学大学院工学研究院の川村出准教授の研究グループが、2018年頃より進めていた使用済みコーヒー粕をTEMPO 酸化法を使ってCNFを製造する研究に注目し、同社が展開するカフェ業態「UNI COFFEE ROASTERY」で発生するコーヒー粕の提供、研究支援をすることで、本研究の精度をあげていくと同時に、CNFを用いた新製品の開発を進めるとのことです。

共同研究契約のテーマは、「コーヒー粕をはじめ食品廃棄物由来のセルロースナノファイバーを活用した新製品開発の共同研究」で、コーヒー粕に限らず、この研究成果が活用できるほかの廃棄物などでの可能性も探る予定です。

詳細はPR Timesの記事をご覧ください。

富士市CNFブランド認定、新たに2品目追加(2022年11月10日)

富士市は、セルロースナノファイバー(CNF)またはCNF関連技術を利活用して生産・製造・加工した製品等について、「富士市CNFブランド」として認定することで、製品等のブランドの確立、販売促進、さらなる技術力向上を図り、CNFを通した地域産業の活性化に資する地域ブランドの確立・向上に向けた取組を展開しています。このほど3期目の認定が行われ、新たに2社の2品目が認定されたことが、本日、富士市CNFプラットフォームのウェブサイトで発表されました。

本日認定された製品は次の通りです。富士市CNFプラットフォームのウェブサイトには、事業者名と製品名しか掲載されていないため、概要については静岡新聞の報道を引用しています。

事業者:エフピー化成工業株式会社
製品名:セルロースファイバー高配合樹脂
概要:ポリプロピレン樹脂にCNFを51%以上配合した樹脂で、巴川製紙所と共同開発したもの。強度や耐熱性に優れている。

事業者:大昭和紙工産業株式会社
製品名:カラーCNF「十二単CNF」
概要:着色されたCNF素材だが、性状等は不明。混ぜることでさまざまな色を表現できる模様。

今回認定された2品目を加え、富士市CNFブランド認定商品は10品目となりました。

ブリティッシュコロンビア大学、CNFを使用して 3D オブジェクトを生成(2022年11月3日)

カナダのブリティッシュコロンビア大学(UBC)では、セルロースナノフィブリル(CNF)を使って3D オブジェクトを生成する、3D 印刷技術を開発しました。

カナダのConstruction Connect が運営するJournal of Commerceに11月2日に掲載された記事によりますと、UBC の高度木材加工センター (CAWP) の研究者は、積層造形用の 3D プリンターのレーザーヘッドで使用できる水性セルロースインクを開発しました。このインクはさまざまな形状に 3D プリントすることができます。

非常に複雑でカスタマイズされたオブジェクトを作成できる3Dプリント技術は、ポリマー、金属、セラミック、セメントなどの材料に使用されていますが、バイオベースのポリマー、特にセルロースへの適用は限定的でした。その理由の 1 つは、セルロースが加工しにくいことです。
そのため、UBC の研究者は、さまざまな形状に3Dプリントできる水性セルロースインクを開発しました。
そしてこのインクを使ってできたセルロースハニカム構造は、将来的に、軽量構造部品、断熱材、さまざまな消費者向け製品として、使用される可能性があるとのことです。

詳細はニュースサイトをご覧ください。

アルプスアルパイン、新製品の自動車用スピーカーにCNFシートを採用(2022年11月2日)

電子部品、カーエレクトロニクス関連製品の開発・製造・販売を行うアルプスアルパインは、リアルなサウンドと臨場感を実現するスピーカー新製品「Xプレミアムサウンドスピーカー」を12月下旬から販売することを発表しましたが、このスピーカーのボイスコイルの巻き芯にセルロースナノファイバー(CNF)シートが採用されています。

同日付のプレスリリースでアルプスアルパイン株式会社とアルパインマーケティング株式会社が発表した内容によりますと、目の前で演奏するようなリアルなサウンドと臨場感を実現した「Xプレミアムサウンドスピーカー」を12月下旬から販売するとのことですが、巻き芯(ボビン)の補強に、高密度CNFシートを採用しています。このことにより、ボイスコイルの振幅をダイヤフラムへロスなく伝えることで解像度が向上し、高域のクリアな再生を可能となります。

なおCNFはスピーカーにおいて振動板に使用されるケースが多いですが、このスピーカーではカーボンファイバー振動板を採用しています。

詳細は両社のニュースリリースをご覧ください。

丸住製紙、CNF配合のアルコールハンドジェルミストを出展(2022年11月1日)

丸住製紙は独自開発したセルロースナノファイバー(CNF)を配合した香り付きアルコールハンドジェルミストを、体験型セレクトショップとECサイトに期間限定で出展することを、プレスリリースで発表しました。

出展されるのは、同社のCNFステラファイン®(STELLAFINE)を配合したステラファイン®ハンドジェルミスト【YUZU・TREE】の2種類で、いずれも50ml入りで、MakuakeのECサイトで1本2,000円(税込)で販売されているものです。
出展先は体験型セレクトショップ「newme」有楽町マルイ店とnewme mall(EC サイト)で、同日から来年6月末までの期間限定出展となります。CNFを配合することで、しっとり感とさらさら感が絶妙なバランスで、新感覚の使い心地を実現したとのことです。

なおこの商品は、丸住製紙のCNFステラファイン®(STELLAFINE)の商品化プロジェクト第一号として開発されたもので、今年6月16日に同社からニュースリリースが発出されています。

詳細は同社のプレスリリースをご覧ください。

Croda、CNC由来の球状セルロースパウダーを発表(2022年11月1日)

化粧品を中心とするパーソナルケア製品の原材料を製造する世界的な企業であるCrodaは、カナダでセルロースナノクリスタル(CNC)を製造するAnomeraと提携して、スキンケアおよびカラー化粧品用途でプラスチックマイクロビーズに代わる持続可能で機能的な2種類の球状セルロースパウダーを発表しました。

美容関係のニュースサイトPremium Beauty Newsに10月31日に掲載された記事によりますと、Crodaが発売を開始したのは、ChromaPur CV2およびChromaPur CV7という2種類の球状セルロースパウダーです。いずれも100%天然材料由来で生分解性が高く、成分はVeganおよびCOSMOS(=COSMetic Organic Standard:有機化粧品基準)に合致しています。この製品を使うことによって、スキンケアにおけるソフトフォーカス効果、カラー化粧品におけるより優れた見返り、カバー力、色の濃さなど、並外れた感覚的および視覚的利点を提供するそうです。

この原材料を供給しているのが、カナダのケベックに本社を置くAnomeraです。Anomeraは、カナダの森林で持続的な方法で収穫されたブラックスプルース(クロトウヒ)のパルプに由来する高品質のカルボキシル化セルロースナノクリスタル(CNC)を開発しています。カルボキシル化CNCは美容業界のニーズを満たす成分を作成するためにミクロンサイズの粉末に変換されます。

CrodaとAnomeraは2020年にパートナーシップを締結し、革新的な多機能美容成分を共同開発し、Crodaはパーソナルケア市場におけるAnomeraの素材の独占販売代理店になっています(関連記事は下記)。

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