ナノセルロースニュース2021年1月

目次

セルロースナノファイバーを使った複合材料を風力発電のブレードの金型に(2021.1.29)

大型風力発電のブレードの開発には、時間と費用がかかります。アメリカのエネルギー省は、大型のセグメント化された風力ブレード金型を製造するための、迅速で低コストの積層造形(3D印刷)技術を開発するために、メイン大学に280万ドル(=2.9億円)の予算を割り当てたことが、メイン大学のウェブサイトにあるU Maine Newsで発表されました。

非常に大きなウインドブレードモールドは、メイン大学 Composites Centerにある、世界最大のポリマー3Dプリンターで、CNFで強化された材料を使用して印刷されます。最先端の3D印刷製造とCNFを使用したバイオベースの原料を組み合わせることで、新しいブレードの開発コストを25%から50%削減すると同時に、開発期間を6か月短縮できるそうです。またこれらの材料を使用して製造された金型は、粉砕して他の金型で再利用できるため、より持続可能なソリューションになります。

金型には、オークリッジ国立研究所(ORNL)で開発された新技術を使って、3Dプリントされた発熱体が組み込まれます。金型表面温度の制御は金型製造の重要な要件であり、新しいORNLの技術により、発熱体のロボットによる堆積が可能になり、金型製造の時間とコストが削減されます。

メイン大学は、ナノおよびマイクロセルロース強化熱可塑性複合材料の開発を含む、セルロースナノファイバー(CNF)技術の世界的リーダーです。これらの新しいバイオベースの材料は、より低い製造コストでアルミニウムと同様の機械的特性が得られます。

大規模な3D印刷で広く使用されている炭素繊維強化ABS熱可塑性原料は、1ポンドあたり5ドル以上の費用がかかります。木材由来のバイオベースの材料を組み込むことにより、原料のコストを1ポンドあたり2ドル未満に削減できます。

詳しい内容は、メイン大学のウェブページをご覧ください。

ナノセルローススポンジをビール粕から作り水質浄化に使う(2021.1.22)

ビール醸造残渣からナノセルローススポンジを製造し、水中の重金属の吸着に使うための研究が、バージニア工科大学で行われていることか、Technology Networks Groupが運営する情報サイトAnalysis and Separationsに1月21日に掲載されています。

同大学のHuang助教授(Assistant Professor)のグループでは、学際的研究の一環として、食品廃棄物の高度利用に取り組んでいます。そのテーマの一つが、ビール粕の有効利用です。一部はエビの養殖に使われる魚粉の代わりのたんぱく源として使用し、残りの繊維の部分からナノセルローススポンジを作り、水質浄化に使う計画とのことです。飲料水中の鉛の吸着・除去への適用を検討しており、初期段階の実験ではうまく行っているとのことです。

詳しい内容は、Analysis and Separationsの記事をご覧ください。

ナノセルロースを使った曇りどめ Fogkickerを市場に投入(2021.1.20)

メガネをかけている人がマスクをすると、メガネが曇ってしまいます。Covid-19の蔓延でマスクを着用する機会が増えると、多くの人がこの問題に悩むようになりました。とくに医療従事者は、メガネやフェイスシールドを外すことができないため、問題は深刻です。New England Newspapers, Inc.が運営するニュースサイト、The Berkshire Eagleに1月19日に掲載された記事によりますと、マサチューセッツ州西部にあるKyttarinic Technologiesは、セルロースベースのコーティングを使用して細かい水滴が溜まらないようにすることで、この問題を解決しようとしています。

植物細胞壁の基本的な構造成分であるセルロースは、紙の主成分として最もよく知られていますが、その誘導体はプラスチックから接着剤、爆発物まであらゆるものに含まれています。Kyttarinicの製品では、ナノセルロース粒子が、ガラスなどの上に薄く透明な層を形成し、水蒸気がガラスの表面に凝縮するのを防ぎます。すなわち、水がビーズ状になって小さな液滴を形成するのを防ぐわけです。この製品は、シリコーンまたはオイルベースの界面活性剤ではなく、生分解性のあるセルロースで作られているため、市場に出回っている同様の製品よりも優れています。同社は、スプレーボトルから蛍光ペンまで、製品を表面に貼り付けるためのさまざまな方法をテストし、最終的にはワイプに落ち着きました。そして、マサチューセッツ州西部の2つの病院でテストを行い、良好な成果を得ているとのことです。

詳しい内容は、同サイトに掲載されている記事をご覧ください。

キチンナノファイバーを配合した洗髪剤が毛髪のハリ、コシを強化(2021.1.19)

キチンナノファイバーを配合した洗髪剤が毛髪のハリ、コシを強化したとの検証結果、大村塗料株式会社(本社:鳥取市)が発表したことが、塗料・塗装専門新聞社が運営するペイント情報サイト、コーティングメディアオンラインに1月13日に掲載されました。またシャープ化学と共同開発している構造用接着剤についても、接着強度が向上したとの知見を得ており、生分解性、人体に害を及ぼさないバイオマス機能性添加剤として用途展開に弾みがつくと報じています。

キチンナノファイバーは、エビやカニの殻から抽出される天然高分子であるキチンをナノファイバー化したもので、海洋資源の有効活用策として化粧品や養毛剤、人工皮膚、創傷治癒材、健康食品など多種多様な製品に応用展開が期待されています。大村塗料では、キチンナノファイバー含有抗菌・抗ウイルス内装用塗料「キトサンエイト」を開発し、発売しています。2017年には、パイロットプラントでの製造特許を取得し、マイクロバブルを活用した解繊処理を加えた独自製法を活用することで、供給の課題となっていた製造コストの低減に成功するとともに、並行して産学連携による研究開発を進めるなど用途展開を積極化してきました。

今回実施した毛髪の引張強度試験では、10人の日本人女性(10代)の毛髪(5cm)に対し、部分加水分解したキチンナノファイバー5%を塗布した結果、弾性率は未処理と比べて約36%上昇、最大応力は約34%増、破断ひずみも約1%増と良好な結果が得られたとのことです。これらの試験項目は、髪の毛の張りやコシに関するもので、大村社長は「リンス効果により毛髪の強度が向上したことを示している」「電子顕微鏡でもキチンナノファイバーが毛髪面に広く配向し、強度向上に寄与していることが分かる」と話しているとのことです。

先行して実施しているシャープ化学との共同開発においても酢酸塩化ビニル系接着剤に濃度1%の分散液を1%添加し、20%の強度向上が得られたとの検証を得ており、液体製品の物性向上に寄与する新規材料として市場投入を目指しています。

普及拡大を目指す上で、最大の特長となるのがバイオマス性能で、廃棄されるカニやエビの殻を再利用する天然由来の機能性材料であることや、100%生分解性を有し、「例えば肺に取り込んだとしても容易に酵素分解される」など人工臓器への採用も可能な安全性が魅力となっています。大村社長によると「現在、サンプル提供として、8,000円/kg(1%分散液)で提供しているが、量産拡大により更にコストは抑えられると考えている」とのことです。

詳しくは情報サイトの記事をご覧ください。

バクテリアナノセルロースと酵母の共生培養でスマート材料(2021.1.17)

細菌と酵母の混合物を使用して、丈夫で機能的な材料を生成する新しい方法を、マサチューセッツ工科大学(MIT)とインペリアルカレッジ・ロンドンの研究者が開発し、その内容がNature Materialsに掲載されたことが、科学技術情報サイトSci-Tech Dailyで紹介されています。

1月16日に掲載された記事によりますと、SCOBY(Symbiotic culture of bacteria and yeast)と呼ばれる酵母とバクテリアの共生培養で、コンブチャ(日本では、紅茶キノコ)として知られているものです。これを利用し、環境汚染物質の検知など、さまざまな機能を実行できる酵素が埋め込まれたセルロースを製造しました。また、酵母を材料に直接組み込んで、水を浄化したり、損傷を検出できるスマートな包装材料を作成することもできます。

発酵に使用される野生酵母菌株のほとんどは遺伝子組み換えが難しいため、研究者たちはそれらを実験用酵母菌株に置き換えました。彼らは酵母をKomagataeibacter rhaeticusと呼ばれるバクテリア(酢酸菌)と組み合わせました。この種は大量のバクテリアナノセルロース(BNC)を生産することができます。

Syn-SCOBYと呼ぶ微生物培養の可能性を実証するために、研究者たちは、環境汚染物質として時々見られるエストラジオールを感知する酵母を組み込んだ材料を作成しました。別のバージョンでは、彼らは青い光にさらされたときにルシフェラーゼと呼ばれる光るタンパク質を生成する酵母の菌株を使用しました。これらの酵母は、他の汚染物質、金属、または病原体を検出する他の菌株と交換することができます。この研究の一部は、米国陸軍研究所などから資金提供されているとのことです。

詳しくはウェブの記事をご覧ください。

バクテリアセルロースから外科用縫合糸を製造(2021.1.15)

バクテリアナノセルロース(BNC)は、高強度、高靭性、優れた生体適合性、優れた伸縮性、および高エネルギー散逸を備えた繊維です。これを用いて生体模倣ヒドロゲルファイバー(BHF)をつくり、外科用縫合糸を製造する研究が、中国科学院大学で行われています。

中国科学院のウェブサイトでニュースとして公表された内容によりますと、中国科学技術大学のYu Shuhong教授が率いるチームが、レンコンの繊維を模倣した、スパイラル構造の外科用縫合糸の開発を行っています。弾性率の高い市販の縫合糸と比べて、BHFは皮膚などの軟組織と同様の弾性率と強度を持っています。BHFの卓越した伸縮性とエネルギー散逸により、創傷周囲の組織変形からエネルギーを吸収し、創傷を破裂から効果的に保護できるため、BHFは理想的な外科用縫合糸になります。

技術のポイントはスパイラル化です。BNCの3Dネットワークの水素結合は、接線方向の力によって切断され、ハイドロゲルストリップがらせん状にねじれ、ネットワークが滑って変形します。接線方向の力がなくなると、ナノファイバー間の水素結合が再形成され、ファイバーのらせん構造が固定されます。このスパイラル構造のために、BHFの靭性はスパイラル化されていないBNCハイドロゲルファイバーの9倍以上となりました。さらにBHFが引き伸ばされると、ほとんど弾力性がなくなります。

このように、優れた機械的特性とBNCに由来する優れた生体適合性を組み合わせたBHFは、生物医学材料、特に創傷修復に一般的に使用される外科用縫合糸用の有望なハイドロゲル繊維です。BHFの多孔質構造により、抗生物質や抗炎症化合物などの機能的な小分子を吸着し、創傷に持続的に放出することもできます。適切な設計をすることで、BHFは多くの医療アプリケーションにとって強力なプラットフォームになります。

詳細は中国科学院のウェブサイトをご覧ください。

セルロースナノファイバーからの包装用材料を開発に補助金(2021.1.14)

Perdue大学の研究者は研究成果を実用化するために、Trask Innovation Fundから研究資金を受けていますが、その中にJeffrey Youngblood教授が進める、セルロースナノファイバー(CNF)からの生分解性パッケージング材料に関する研究が含まれていることが、Grow INdiana Media Ventures, LLC(アメリカ・インディアナ州)が運営する情報サイトInside INdiana Business With Gerry Dickに1月12日に掲載されました。

製品化の一歩手前まで来ているようです。このサイトには、技術内容の紹介はありませんでしたが、Jeffrey Youngblood教授は2020年7月23日に開催されたTAPPI Nanotechnology Divisionのバーチャル国際会議で講演しており、押出法で安価に生産するCNFの多層シートのことと思われます。バーチャル国際会議のレポートは、このニュースにも掲載しています。

バクテリアセルロースからリヨセル繊維の生産に関する特許を出願し商業化へ(2021.1.13)

インドのバクテリアナノセルロース(BNC)製造業者であるBirla Celluloseは、BNCから製造された高靭性リヨセル繊維およびその製造方法に関する特許を、オーストラリアでBNCから衣料を製造するNanolloseと共同で出願したと、ファッション関連のニュースサイトJust-Style.comが伝えました。

リヨセル繊維はレーヨンの一種で、繊維、不織布として使われています。ウェブサイトに1月12日付で掲載された記事によりますと、この繊維はシルクよりも細く、木材から製造されている従来のリヨセル繊維より強いとのことです。両社はファッションブランドとの契約ができるように、パイロットスケールでの生産を急ぎます。

詳しくは同サイトの記事をご覧ください。

バクテリアナノセルロースで培養肉生産のための足場をオハイオを拠点とする新興企業が開発(2021.1.13)

培養肉生産のためのバクテリアナノセルロース足場を、オハイオを拠点とする新興企業が開発したことが、食品関係の情報サイトFOOD navigator – USA.com に1月12日付で掲載されました。

この会社は7か国、14の培養食肉業者と連携しており、この足場は細胞の直径、配列、多孔性の調整や、フレーバー、ビタミン、ミネラル、成長因子の追加などができるそうです。

詳しくは、サイトの記事をご覧ください。

セルロースナノファイバーを繊維の端材から取り出しスクラブ材にする取り組み(2021.1.12)

日清紡テキスタイル株式会社では、オンラインでの展示会Nisshinbo Textile EXPO 2021~N-textile~を、2021 年 1 月 12 日から開催していますが、その中で、繊維の端材を原料としたセルロースナノファイバー活用プロジェクトを紹介しています。

これは紡績、縫製、不織布生産から出る落綿、裁断くず、解繊くずなどを活用し、化粧雑貨のスクラブ材や繊維製品への応用を図るものです。従来のスクラブ材はプラスチック製品のため、海洋マイクロプラスチック問題の解決につながるとのことです。繊維製品への応用については、現在開発中だそうです。

この展示会は2月12日まで開催されています。専用サイトからの入場申し込みが必要です。

国防総省がメイン大学での木質バイオマス利用研究に5億円を助成(2021.1.8)

メイン大学のForest Bioproducts Research Institute(FBRI)は、旧市街にあるTechnology Research Center (TRC)とキャンパス内にあるProcess Development Center(PDC)をアップグレードして、新しいバイオプロダクツの開発、生産量の増加、木質バイオマスの新たな用途開発、に向けた継続的な取り組みを強化することを、2021年1月7日に発表しました。

同大学のニュースによると、軍需物品の流通・備蓄及び補給網整備などを担当するアメリカ国防総省の内局であるアメリカ国防兵站局(Defense Logistics Agency)は、木質バイオマスからの再生可能な燃料、暖房用の油、化学品、プラスチックなどを大規模に生産するための研究開発に、$4.8 million(=5億円)を助成しました。

旧市街のパルプ工場内にあるTRCに追加された機器は、研究者がバイオ炭、木材の熱分解に由来する木炭、および前処理バイオマスを処理するのに使われます。PDCでは木材を熱分解して合成原油を製造し、これをアップグレードしてジェット燃料を製造することに成功しています。またPDCに設置される新しい設備により、木材チップまたはおがくずからの、ナノセルロースの製造が可能となります。現在、PDCはパルプからナノセルロースを製造していますが、木質原料からの一貫生産が可能となります。新しい機器は、FBRIがおがくずなどの木質バイオマスからさまざまな有機酸を生成するのにも役立ち、通常は廃棄物の副産物と見なされるバイオ炭の有益な使用の見通しを評価します。バイオ炭は、土壌とコンクリートの両方で、炭素隔離添加剤としての用途の可能性を秘めています。

FBRIチームは、2021年半ばまでに機器を調達し、今後2年以内に運転を開始する予定です。この研究所は、森林ベースの製品を商業規模で製造して、化石燃料由来の製品に取って代わり、メイン州でのバイオリファイナリーの創設を促すことができることを実証することを目的としています。

詳しい内容は、同大学のウェブサイトをご覧ください。

セルロースナノファイバーとアルミのハイブリッド化に成功・特許出願(2021.1.6)

富山大学は2021年1月6日付のニュースリリースで、セルロースナノファイバー(CNF)とアルミをハイブリッド化する製法の自主開発に、先進アルミニウム国際研究センターの松田健二教授らの研究グループが成功し、2020年4月 20 日特許出願を行ったことを発表しました。

CNFは木材等から取り出した繊維で、大変燃えやすいのですが、サブミクロン単位でこれらの繊維をアルミニウムとハイブリッド化することで、強度は純アルミニウムの約 2 倍、比重は 30%の減少となりました。また加熱した状態での押出成形にも成功したとのことです。このハイブリッド材料は、自動車軽量化などの材料として期待されます。また、ハイブリッド化したこの素材は廃棄時にはアルミ素材として回収しますが、通常の溶解工程でセルロースナノファイバーは燃えてしまうことから、リサイクル性の良いアルミ素材としての普及が期待されるとのことです。

詳しくは富山大学のニュースリリースをご覧ください。

セルロースナノファイバーを使った薬物放出制御システムを中国が開発(2021.1.4)

セルロースナノファイバー(CNF)のハイドロゲルは、持続的な薬物放出能力、抗菌特性、生体適合性などの点で、薬物放出制御システムの材料として優れています。科学技術情報サイトPHSY.ORGに12月29日付で掲載された記事によりますと、中国科学院青島バイオエネルギー・バイオプロセス研究所(QIBEBT)と天津科技大学の研究チームは、CNFを使った新しい薬物徐放システムを開発し、その成果をACS Applied Materials&Interfacesで発表しました。

研究では抗生物質であるテトラサイクリンをモデル薬として使用し、CNFハイドロゲル中で酸化グラフェン(GO)によって包まれたメソポーラスポリドーパミン(MPDA)ナノ粒子の物理的架橋を作りました。このカプセル化構造では、GOを使用してMPDAナノ粒子をパッケージ化し、薬物放出時間を延長し、薬物のバースト放出を低減するとともに、得られたヒドロゲルの物理的強度を高めることに成功しました。複合ヒドロゲルの持続的かつ制御された薬物放出挙動は、pH値に大き​​く依存し、薬物放出の速度は、近赤外光照射によって加速することができます。さらにこのカプセル化構造は優れた生体適合性を示し、GOの毒性はCNFヒドロゲルによって十分に保護されました。CNFベースのカプセル化構造のこの斬新な設計は、新しいインテリジェントな薬物充填材料の開発に有益であり、化学的および物理的治療への潜在的な用途があるとのことです。

詳しい内容は、PHYS.ORGの記事をご覧ください。

バクテリアナノセルロースを培養たんぱく質製造のための足場として供給(2021.1.4)

食肉用の家畜の飼育は、世界の温室効果ガス排出量の約18%を占め、農地の約70%を使用しており、森林と生物多様性を損なっているといわれています。これを受けて、植物原料や動物細胞を使った人工肉の製造と開発が進んでいます。持続可能性に焦点を当てたウェブサイトGreen Queenに11月30日付で掲載された記事によりますと、オーストラリア・パースを拠点とするベンチャー企業Cass Materialsは、バクテリアナノセルロース(BNC)を使った、培養たんぱく質を製造するための足場を開発したとのことです。

従来は食肉処理場に残った動物の死骸を煮沸して得られるコラーゲンであるビーフゼラチンを使っていましたが、これを代替することができます。さまざまな細胞ベースの肉製品をその形状やサイズに合わせて製造でき、それ自体も味がないため、BNCを使った足場の使用に簡単に適応できます。ステーキなどの複雑な細胞構造を持つ動物の肉のカットを再現するには、筋肉から脂肪まで、さまざまな種類の細胞をサポートする3Dマトリックスが必要ですが、これにも対応可能とのことです。またBNC自体を食べることも可能で、生分解性もあります。

詳しい内容は、Green Queenの記事をご覧ください。