ナノセルロース・セルロースナノファイバーに関する世界のニュース 2024年1月・2月

ナノセルロース、セルロースナノファイバー(CNF)、セルロースナノクリスタル(CNC)、バクテリアナノセルロース(BNC)に関する、国内・海外の最新ニュースを掲載しています。こちらは 2024 年 1月・2月に報道されたニュースを、新しいものから順に掲載しています。新たに入手した情報は、随時追加しています。

目次

Empa、ビール粕から抽出したナノセルロースを食品包装に(2024 年 2 月 28 日)

スイスの国立研究機関であるEmpa (Swiss Federal Laboratories for Materials Science and Technology) は、ビール醸造の廃棄物から抽出したナノセルロースを、エアロゲルに加工し、食品包装に使用するための研究を行っていることを、2 月 27 日にウェブサイトで公表しました。

ビール粕は動物の飼料か堆肥として利用されますが、Empa のセルロース・木材材料研究室の研究者らは、高品質のナノセルロースを生産するプロセスを開発しました。ナノセルロースは、包装材や繊維強化ポリマーなどに加工できる多用途の生分解性原料です。

ミクロフィブリル化、およびナノフィブリル化セルロース製品は通常、木材パルプから抽出されますが、木材は成長が遅く、建築物や家具などの原料として長期間使用することで、大気中の CO2 の貯蔵に適しています。一方、成長速度の速い一年生植物も、ミクロフィブリル化、およびナノフィブリル化セルロースの原料となり得ますが、これまでのところ、ほとんど使われていません。

研究者らは、ビール粕(使用済みの大麦の穀粒)からナノセルロース繊維を抽出し、凍結乾燥によってエアロゲルに加工しました。エアロゲルには多数の気孔があり、断熱性に優れています。ナノセルロースベースのエアロゲルには、再生可能資源から抽出され、生分解性であるという利点があります。最終的な目標は、特に肉などの温度に敏感な食品の包装に使用することです。

詳しくは、Empaのホームページに掲載されている記事をご覧ください。

タイの大学、ココナッツゼリー廃棄物からナノセルロース製品(2024 年 2 月 26 日)

タイのチュラロンコン大学は、CAmpol Food Processing Co. Ltd. などの企業と共同で、ココナッツゼリー(ナタデココ)を製造する際の廃棄物から、食品添加物を製造する技術を開発し、製品化しました。

チュラロンコン大学のウェブサイトに掲載された記事によりますと、この製品はナノセルロースで、Cello-gumという名称です。ココナッツゼリーは、科学的構造がバクテリアセルロース (BC) である天然素材であり、強力な機械的特性、高い多孔性、および十分な吸水能力などの優れた品質を備えています。容易に成形可能で、生分解性があり、非毒性です。

食品添加物や、化粧品原料として使うことができます。

詳細はチュラロンコン大学のウェブサイトをご覧ください。

マギル大学、カルボン酸官能化ナノセルロースで電子廃棄物から Nd を抽出(2024 年 2 月 25 日)

カナダの McGill University(マギル大学)の研究チームは、カルボン酸官能化ナノセルロース (CFNC) を使用して。電子廃棄物からネオジム (Nd) を抽出する技術を開発しました。

自動車業界の情報サイト Green Car Congress に同日掲載された記事によると、このプロセスは過酷な条件や複雑な手順を必要とせず、コスト効率が高く、セルロース前駆体から容易に製造可能な CFNC の溶液が使われます。Nd が Nd-CFNC 複合体として沈殿し、遠心分離によって溶液から容易に分離できます。

150 ppm という低い Nd3+濃度でも、瞬時に沈殿を形成できます。我々は、CFNC 1 gあたり約 252 ± 5 mg の Nd3+の除去を確認しました。これは、数秒という極めて短い接触時間で、除去が可能です。

この技術は、電子廃棄物、鉱山、産業廃水からネオジム (Nd) を除去するための、低コストで有望な持続可能な技術を提供することができます。

詳しくは Green Car Congress の記事をお読みください。

富士市CNFブランド認定、新たに 3 品目追加(2024 年 2 月 15 日)

富士市は、セルロースナノファイバー(CNF)またはCNF 関連技術を利活用して生産・製造・加工した製品等について、「富士市CNFブランド」として認定することで、製品等のブランドの確立、販売促進、さらなる技術力向上を図り、CNF を通した地域産業の活性化に資する地域ブランドの確立・向上に向けた取組を展開しています。2 月 8 日に 5 期目の認定が行われ、新たに 3 社の 3 品目が認定され、詳細が順次、富士市のホームページで公開されています。

① Mawal(マワル) (エフピー化成工業株式会社)

自社のセルロースファイバー複合樹脂を活用した新たな食器ブランドです。素材の持つリサイクル性能の高さを活かし、”捨てる”ことを”捨てる”をテーマに、樹脂の開発から商品の製造、そしてリサイクルまでを一つのサイクルとして商品として開発しました。第一弾として 2024 年夏、富士市をイメージした 7 色のラインナップ食器が発売予定となっております。

② 一粒入魂 和菓子  (有限会社わかつき)

同社は、昭和3年創業のあんこ屋で、”一粒入魂”豆一粒にも細心の注意を払い、あんこにこだわった和菓子作りをしています。素材の持つ本来の味や色を活かしつつ、安心・安全なお菓子作りを日々追及しています。
そのような中、食品に添加可能な CNF に出会い、技術やノウハウにより保水性や保形性、粘性、分散安定性などの機能を上手く活用する研究を進め、自社で販売する全ての製品にCNFを添加しています。
代表的な製品として、水ようかん、どらやき、カステラ、団子などがあります。

③ 軽量紙粘土  (スノークラフト株式会社)

スノークラフトは、平成 28 年創立の会社で、軽量紙粘土をはじめ、樹脂粘土、コルク粘土など多くの種類の粘土を製造しています。
紙粘土と言えば、美術等の学校教育現場や文房具、手芸用品としての用途が大半となりますが、同社では動物シリーズ粘土を開発し、動物園における動物造形ワークショップ等で活用できる製品やお掃除粘土などの製品を展開しています。
CNFの添加により、粘土のひび割れ防止や保型性向上、伸び性能付与などの機能が発現しています。

ウォータールー大学、CNCハイドロゲルで心臓組織の治癒やがん治療(2024 年 2 月 13 日)

カナダの University of Waterloo(ウォータールー大学)は、木材パルプ由来のセルロースナノクリスタル(CNC)から作られた新しいハイドロゲルを開発したことを 2 月 12 日にウェブサイトで公表しました。このハイドロゲルは人間の組織の特性を模倣しており、損傷した心臓組織の治癒や、腫瘍オルガノイドを使った個別療法によるがん治療の改善に使用できる可能性があるとのことです。

この研究はウォータールー大学、トロント大学およびデューク大学と共同で行われました。木材パルプから生成された CNC を原料とする合成材料を作成しました。この材料は、人間の組織の繊維ナノ構造と特性を模倣し、その独特の生体力学的な機能を再現するように設計されています。

がんは多様な病気であり、同じ種類のがんを患っている 2 人の患者が同じ治療に対してまったく異なる反応を示すことがよくあります。腫瘍オルガノイドは基本的に、薬物検査に使用できる個々の患者の腫瘍の小型版であり、これにより研究者は特定の患者に合わせた個別の治療法を開発できる可能性があります。

合成生体模倣ハイドロゲルは、栄養と老廃物の輸送のための広範な細孔を備えたナノ繊維構造を特徴とし、機械的特性と細胞相互作用に影響を与えます。このハイドロゲルを使って、提供された腫瘍組織から作られた小規模腫瘍レプリカの開発を行いました。これを用いることで、抗がん剤の有効性を評価し、オーダーメイドのがん治療ができる可能性があります。

一方で、心臓発作によって損傷した心臓組織を再構築するために、注入された糸状ハイドロゲル材料を使用すること研究も行われています。

詳しくは同大学のNews記事をご覧ください。

スウェーデンで 3D 印刷された建築用ナノセルロース材料を開発(2024 年 2 月 8 日)

スウェーデンの Chalmers University of Technology(チャルマース工科大学)は、Wallenberg Wood Science Center(ワレンバーグ木材科学センター)と共同で、木材由来のナノセルロースと藻類をベースとしたハイドロゲルを建築部品の 3Dプリントに使用する新しい工法を開発したことを、2 月 7 日にウェブサイトで公表しました。

多大な資源消費と炭素排出を伴う建設業界の環境への悪影響に対する懸念が高まる中、持続可能な代替材料への需要が急増しています。林業や農業など豊富な資源に由来するナノセルロースは、その生分解性と再生可能性から有望な代替材料候補と考えられています。

研究チームでは、藻類由来のアルギン酸塩をナノセルロースのマトリックスに組み込むことで、柔軟性と構造的完全性が強化された 3D印刷可能な材料を作製しました。これを3D印刷することで、最小限のエネルギー消費で、さまざまな建築部材を製造可能であることが実証されました。

詳しくは、同大学のNews記事、ならびにJournal of Materials and Design に掲載された論文 “Robotically 3D printed architectural membranes from ambient dried cellulose nanofibril-alginate hydrogel” をご覧ください。

CNF 強化素材を使った水上オートバイのエンジンカバーのデザインを公開(2024 年 2 月 8 日)

デザイン会社である株式会社ジイケイ京都は、ヤマハ発動機の水上オートバイに搭載されるエンジンカバーを設計しましたが、その水上オートバイが北米最大規模のボートショーでお披露目されたことを PR Times で本日発表しました。このエンジンカバーには、セルロースナノファイバー(CNF)強化樹脂が使われています。

CNF 強化樹脂は、木材繊維(パルプ)からなるバイオマス素材の CNF を、ポリプロプレンなどの樹脂と混ぜて成形を行う高強度の新素材であり、従来の樹脂材料と比較して、軽量化を図ることも可能です。またこの素材を用いることで、使用する樹脂の総量の削減や CO2 の削減にも繋がり、温暖化ガス排出の削減といった環境への負荷の軽減が期待されています。

同素材を搭載した製品が 2 月 14 日から 18 日の間、米国 Miami Beach Convention Center で開催される「Miami International Boat Show2024」に展示されます。

詳しくは PR Timesの記事をご覧ください。

丸富製紙、CNF を使った芯なしトイレットペーパーに関する特許を取得(2024 年 2 月 1 日)

丸富製紙は、芯なしトイレットペーパーの製造過程において、セルロースナノファイバー(CNF)を芯孔へ活用する技術を開発し、特許を取得したことを、ニュースリリースとして同日発表しました。

一般的に、芯なしトイレットペーパーは、鉄の棒に紙を巻き付け、水を吹いて芯孔を固めます。これに対し、丸富製紙は CNF に着目し、吹付に使用する水に CNF を混ぜ合わせることで、芯孔の強度を 20%も高めることに成功しました。CNF の軽くて強い特性を活かし、中心部が変形しやすい芯なしトイレットペーパーの欠点を補う技術を開発し、特許を取得しています。

【特許番号】 第7401095号
【発明の名称】芯無しトイレットペーパーロールとその製造方法
【特許権者】 丸富製紙株式会社
【出願番号】 特願 2020-011509
【登録日】  令和 5 年 12 月 11 日

詳細は、同社のニュースリリースをご覧ください。

名大、押すと色が変わりアルコールで元に戻せる CNF 製の紙を開発(2024 年 1 月 31 日)

名古屋大学大学院工学研究科 と 東京都立産業技術研究センター の研究グループは、押圧により色が変化するメカノクロミック材料とセルロースナノファイバー(CNF)を用いて、機械的な圧力に応じて黄色から緑色へ色が変わる紙を開発しました。

名古屋大学研究成果発信サイト NU Research Information で 1 月 30 日に公開された内容によりますと、ナノインプリント試験と紫外可視分光法を組み合わせた定量的な実験により、この色が変化する紙は 25~300 MPa の範囲で機械的圧力に対して線形応答を示しました。また、色が緑色に変化した紙にアルコールを噴霧することにより、元の黄色に戻りました。

走査型電子顕微鏡や接触角分析などの表面研究により、色の変化の可逆性が CNF の直径に依存することが明らかになりました。

さらに、CYM 色彩解析を用いた簡易な画像処理手法により、機械的圧力の分布を可視化することができました。つまり、押した圧力の数値がわかり、圧力分布を可視化できる、繰り返し使用可能な圧力測定紙として用いることができることを示しました。

圧力測定用のフィルムは既に市販されていますが、今回の成果物はメカノクロミック材料の性質によって何度も使用できる点に新規性があり、今後の改良次第では電子・機械産業での用途開発に期待がもたれます。

詳しくは名古屋大学のウェブサイトをご覧ください。

オレゴン州立大、CNF ベースのコーティングでブドウを煙害から守る(2024 年 1 月 30 日)

山火事の煙は米国や世界中のワイナリーにとって問題となっています。Oregon State University(オレゴン州立大学)はセルロースナノファイバー(CNF)をベースとしたフィルムが、煙の成分を吸着することを突き止め、これをブドウにスプレーコーティングすることで、山火事の煙との接触によって生じるワインの異臭を防ぐ効果が期待できることを発表しました。

オレゴン州立大学のウェブサイトで 1 月 29 日に発表された内容によりますと、この研究は、2020 年 9 月にオレゴン州、ワシントン州、カリフォルニア州、ブリティッシュコロンビア州の大部分を包み込み、ワイン用ブドウの品質に大きな影響を与えた山火事がきっかけで始められました。

スプレーコーティングは、山火事からの煙フェノールのワイン用ブドウへの取り込みを防止する有望な可能性を示しています。低メトキシル ペクチンまたはさまざまな濃度のキトサンを含む 3 種類の CNF のコーティングをフィルムにし、特注の煙拡散装置を使用して、フェノール (グアヤコール、メタクレゾール、およびシリンゴール) のブロック、吸収、または吸着の可能性を評価しました。
その結果、キトサンベースのフィルムがグアヤコールとシリンゴールをブロックでき、すべてのフィルムがメタクレゾールを捕捉できることが示されました。

すなわち配合に応じて、フィルムがグアイコールとシリンゴルをブロックし、ワイン用ブドウに吸収されるとワインの異臭を引き起こす山火事の煙化合物であるメタクレゾールを捕捉できることが示されました。

ただブロックと補足の違いは重要です。ブロックは、コーティングがフェノール化合物を吸収しないことを意味するので、ワイン製造前に洗い流す必要がありません。一方捕捉は、コーティングが化合物を吸収するため、洗い流す必要があります。洗い流さなくてもよい方法が求められているため、現在改良を進めています。

最終的には、ブドウ畑の管理者が山火事の煙がブドウの木に届く前にブドウに噴霧できる製品を開発する予定で、今後数年以内に利用可能になると期待されています。

詳しくは同大学のウェブサイトをご覧ください。

テキサス大学、ナノセルロースハイドロゲルを水ろ過に(2024 年 1 月 23 日)

University of Texas at Austin(テキサス大学オースティン校)は、3 次元ナノセルロースハイドロゲルを使った注射器型の水ろ過装置を開発しました。

同大学のウェブサイトの UT News に 1 月 22 日掲載された記事によりますと、新しいシステムは、注射器で汚れた水を収集し、それを 3次元ナノセルロースハイドロゲルフィルターに注入し、ほぼすべての小さな粒子を除去します。既存の装置と比べて、コスト、シンプルさ、有効性、持続可能性の点で大きな利点があり、ユーザーは近くの小川や河川の水を簡単に汚染除去して飲料水にできるようになります。

世界人口の約 4 分の 1 に相当する 20 億人以上が、きれいな飲み水を利用できません。ポータブルで手頃な価格の新しい水ろ過ソリューションは、この状況を変えることを目的としています。

このろ過装置は、ほとんどがろ紙と微多孔膜で構成されています。この新しいシステムは、これらの粒子をほぼ 100 % 捕捉します。このフィルターシステムは、泥水、川の水、マイクロプラスチックで汚染された水など、数種類の水源でテストされています。ハイドロゲルフィルムは生分解性で、交換が必要になるまで最大 30 回使用できます。

更に詳しい内容は、UT Newsの記事をご覧ください。

パナソニック、バイオマス度90%のセルロースファイバー成形材料販売(2024 年 1 月 19 日)

パナソニックは、バイオマス度 90% 以上のセルロースファイバー成形材料「kinari」のサンプル販売と、バイオマス度 70% の「kinari70-PP」の量産販売を開始することを、1 月 16 日にプレスリリースで発表しました。

パナソニックプロダクションエンジニアリング株式会社は、パナソニックホールディングス株式会社マニュファクチャリングイノベーション本部で開発した、バイオマス度を 90% 以上に高めた成形材料を「kinari」(以下、kinari90)として、2024 年 1 月よりサンプル販売を開始します。
またこれとあわせて、従来からサンプル販売していた「kinari70」については量産販売に切り替えます。

パナソニックでは、2015 年より天然由来のセルロースファイバーを活用した材料開発を進めており、2019 年にはセルロースファイバーを 55%以上樹脂に混ぜ込んだ成形材料「kinari55-PP」を、2021 年 2 月にはセルロースファイバーを 70% の高濃度で樹脂に混ぜ込んだ成形材料「kinari70」の開発に成功しました。さらにバイオマス度を高めるため、石油由来のポリプロピレンをサトウキビの搾りかすである廃糖蜜から作られるバイオポリエチレン(バイオマス度 90% 以上)に置き換え、成形材料としてバイオマス度 90% 以上で「kinari55-PP」と同等の強度をもつ成形材料を開発しました。

「kinari55-PP」については 2022 年 12 月より量産販売を、「kinari70」については 2023 年 4 月よりサンプル販売を開始していますが、このたび、成形材料「kinari90」についても、2024 年 1 月よりサンプル販売を開始します。あわせて、サンプル販売をしていた「kinari70」については、「kinari70-PP」として量産販売に切り替えます。

詳しくは同社のプレスリリースをご覧ください。

スギノマシンと東洋エアゾール、CNF配合のUVカットスプレー剤を開発(2024 年 1 月 18 日)

スギノマシンは、自社製のセルロースナノファイバー(CNF)(商品名:BiNFi-s)を添加することで、ユニークな乳化能と触感を付与したUVカットスプレー剤を、東洋エアゾール工業と共同で開発しました。

1 月 17 日に同社がニュースリリースで発表した内容によりますと、CNFを添加することで、従来の製品よりも化成品由来の乳化剤の使用量を低減し、噴霧ガスを人や環境への負荷が小さい窒素ガス(N2ガス)に置き換えることができたとのことです。

紫外線の防護作用のある薬剤は、親油性が高いものが多く、従来は油中水滴 (W/O) 型の処方になっていました。この製品は、BiNFi-s が持つ乳化・分散安定性を生かし、さらに良好な触感・スプレーパターンを持つ、水中油滴 (O/W) 型のスプレー剤になっています。その結果、従来の化成品由来の乳化剤の低減や、W/O型にはない「べた付かない」触感が実現しました。

また、一般的なUVカットスプレー剤の噴霧ガスは、LPガスが大半ですが、BiNFi-s を添加したスプレー剤では無害なN2 を噴霧ガスに置換できました。そのため、スプレー剤使用時の人や環境への負荷低減が期待できます。

N2 ガスの場合は、使用量に伴い缶内ガス圧が下がりやすい傾向があります。しかし、本スプレー剤では、缶内ガス圧が初期の 0.75 MPa から 0.3 MPa まで下がった時でも、噴霧粒子径もスプレー径(範囲)ともに、実用上の大きな差はなく、良好な噴射状態が得られました。

詳細は同社のニュースリリースをご覧ください。