ナノセルロースニュース2022年6月

バクテリアナノセルロースのフェイスマスクが日本で発売(2022年6月24日)

株式会社Boldiesは、ビューティーブランドCleo‘s Beauté (クレオズボーテ)の人気商品3点を、期間限定で体験型RaaSストアで販売することをプレスリリースで発表しましたが、そのうちの一つは、バクテリアナノセルロースでできたフェイスマスクです。

同社がPR Timesの6月23日付プレスリリースで発表した内容によりますと、フェイスマイクの詳細と次の通りです。

  • 商品名:クレオズボーテ バイオセルロースフェイスマスク
  • 内容量:1箱5枚入り
  • 価格:7,150円(税込み)
  • 特徴:ヤシ由来のココナッツ果汁を主成分とし、毛髪の1000分の1ほどのナノレベルで細かい繊維から構成された新素材のマスクです。保水力が高いバイオセルロースという素材で、1枚で25mLの美容成分を染み込ませることができる超贅沢マスクです。顔の凹凸にもしっかりフィットする密着性の高さもポイント。

詳細はPR Timesのプレスリリースをご覧ください。

ナノセルロース・ドットコム コメント

親水性が高いナノセルロースを使ったフェイスマスクは5年以上前から、アメリカ、中国ですでに発売されています。特に中国・海南省では、以前からココナッツ果汁からナタデココ(バクテリアナノセルロース)が生産されていましたが、それをより価格が高いフェイスマスク向けに使う動きがあり、複数のメーカーがフェイスマスクを生産しています。

韓国Moorim P&P とKCC、ナノセルロースを使った塗料開発へ(2022年6月21日)

韓国の紙・パルプメーカーMoorim P&Pと、韓国の素材メーカーKCCは、Moorimが開発したナノセルロースを使った環境に優しい塗料を共同開発することで合意し、6月17日にMOUを締結しました。

Moolim P&Pが6月17日にニュースリリースで発表した内容によりますと、Moorim P&Pは韓国国内でパルプを製造している唯一の企業で、乾燥パルプではなく生のパルプからナノセルロースを製造することが可能です。そのため、品質と価格の点で競合他社に比べて優位に立っています。

同社ではすでにナノセルロースの製造技術を確立しており、既存のナノセルロースと比べて粘度と親水性に優れ、繊維がより細かく解繊されています。そのため塗料に添加した際、塗膜の割れを最小限に抑え、またスクラッチや摩擦に耐える耐久性にも優れているそうです。
このような特性を有するナノセルロースは、さまざまな塗料への適用が考えられ、自動車、工業、建築など産業全般に商用化することができます。さらにMoorim P&Pのナノセルロースは、塗料だけでなく化粧品原料、食品包装材、自動車内装材など様々な産業に幅広く適用可能とのことです。

なおMOUの調印式は、KCCの中央研究所で行われました。
詳細は、Moorim P&Pのニュースリリース(韓国語)をご覧ください。

丸住製紙、CNFを使ったハンドジェルミストを発売(2022年6月16日)

丸住製紙は、独自開発したセルロースナノファイバー(CNF)ステラファイン®を使った商品として、アルコールを配合したハンドジェルミストを開発し、6月21日から販売することを同日付のプレスリリースで発表しました。

商品名はステラファイン®ハンドジェルミストで、YUZU(ゆず)とTREE(木)の2種類の香りがあります。内容量は50mlで、価格は公表されていません。

ジェルのべたつきやミストの液垂れをCNFが持つ保水性や粘性などがカバーし、スプレーするとトロトロなのに馴染ませるとさらさらとした感触で、手肌にうるおいを与える新感覚の使い心地を実現しました。
CNFを添加することで、「しっとり感」と「さらさら感」の両立させています。

購入は、アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」で行うことができます。

詳しい内容は、同社のプレスリリースをご覧ください。

富士市CNF連携拠点「磯貝ラボ」を県富士工業技術支援センター内に開設(2022年6月11日)

東京大学磯貝明特別教授の研究室を兼ねた、富士市CNF連携拠点「礒貝ラボ」が、6月10日に富士市大渕の静岡県富士工業技術支援センターに開設されました。

静岡新聞のウェブ版が6月11日に報じた内容によりますと、富士市が設置したラボに、磯貝特別教授が月1回程度来訪し、関連産業集積を目指す市CNFプラットフォームの加盟企業の技術相談やマッチング、セミナーなどを行うことになっています。富士市としては、磯貝特別教授の協力を得ることで、発信力の強化や、連携の加速を促す予定です。

6月10日に行われた開所式では、磯貝特別教授に静岡県のCNF特任アドバイザーの委嘱状が交付されるとともに、ラボにCNFを活用した板紙製の看板が掲げられました。

セルロースナノファイバーを配合したヘアケア商品をMARVELOUSが発売(2022年6月10日)

株式会社MARVELOUS、旭川工業高等専門学校、日本製紙株式会社は、発酵ナノオイルとセルロースナノファイバー(CNF)を組み合わせた保湿成分「キューティクルコルセット」配合のヘアケア商品「ririQプレミアムシャンプー、トリートメント」を共同開発し、6月11日から先行販売することを発表しました。

本日付の日本製紙のニュースリリースによりますと、保湿成分「キューティクルコルセット」は、MARVELOUSの特許技術である発酵ナノオイルと日本製紙のCNFセレンピア®を組み合わせたものです。これを配合した「ririQプレミアムシャンプー、トリートメント」は、世界で初めてキューティクルコルセットを配合したヘアケア商品となります。

このシャンプー、トリートメントの特徴は次の通りです。
・保湿性と髪の毛の強度を向上します。
・髪の毛のキューティクルを補修し、シルクのような手触りとツヤを目指せます。
・すぐに効果を実感できるヘアケア商品で毎日のヘアスタイリングを楽しくします。

キューティクルコルセットを配合したヘアケア商品「ririQプレミアムシャンプー、トリートメント」は、6月11日放送のテレビショッピング、ショップチャンネルの「ヒットの予感」のコーナーでの先行発売を皮切りに、6月22日よりMARVELOUSのECサイト、美容室で販売を開始するとのことです。

詳細は日本製紙のニュースリリースをご覧ください。

トロント大学がナノセルロースを使ったバイオセンサーを開発(2022年6月10日)

カナダのトロント大学とウォータールー大学の研究者は、リグノセルロースナノフィブリル(CNF)を利用して、日常の動きから電気エネルギーを収集できる小型デバイスを開発しました。このデバイスを使うことで、ウォーキングなどの日常の動きから電気エネルギーを収集することが可能です。

トロント大学のウェブサイトUofTNews に6月9日に掲載された記事によりますと、両校の研究者が開発したのは、樹皮に由来するリグノCNFを使用し、Bluetoothを介してスマートフォンにワイヤレス信号を送信できるプロトタイプのセルフパワーデバイスです。

このようなデバイスは、心拍数、酸素レベル、皮膚伝導率などの生体認証データを追跡するために使用できます。この発明により、環境への影響を低減しながら、これらのデバイスのパフォーマンスを向上させることができます。

ウェアラブルエレクトロニクスにおいてバイオセンサーは一般的ですが、ほとんどがバッテリー駆動です。その結果、センサーはかさばり、不便で、コストがかかります。バッテリーのないセンサーは、より薄く、より小さく、より安価になる可能性があります。バッテリーの充電を忘れることを心配する必要はありません。肌に貼り付けるだけで、自然な動きで動きます。

革新の背後にある原理は、静電気の一形態であるトリオボエレクトリック効果です。一部の材料は他の材料よりも電子を引き付けるため、2つの異なる材料を繰り返し接触させてから分離すると、それらの間に電荷が蓄積する可能性があります。
世界中の研究者が、この効果を利用して少量の電力を生成する摩擦電気ナノ発電機と呼ばれる装置を実験しています。

現在のほとんどの設計では、テフロンというブランド名でも知られているポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの合成材料が組み込まれています。しかし、この物質は環境中に長期間存続し続け、健康への影響が懸念されています。
研究チームは、天然由来で生分解性のある代替品を探し、リグノCNFを採用しました。

詳しい内容は、UofT Newsの記事をご覧ください。

メイン大学で進むリサイクル可能なナノセルロース食品容器の開発(2022年6月8日)

使い捨てのプラスチック容器から出る廃棄物を置き換えるために、メイン大学の研究者はリサイクル可能なセルロースナノコンポジットから耐油性、耐水性の容器を作りました。

メイン大学のウェブサイトのUMaine Newsに6月7日に掲載された記事によりますと、Mehdi Tajvidi准教授のグループは、リグニン含有セルロースナノフィブリル(CNF)で作られた新しいコーティングを施したリサイクル可能な木材複合材料から、食品容器を開発しました。

プラスチック製の使い捨て容器は、丈夫で耐油性、耐水性があり、漏れることなくさまざまな食品を入れることができるので便利ですが、プラスチックには生分解性がないないため、大量の廃棄物が発生します。
2021年に行われたスウェーデンの研究によると、海洋廃棄物の約80%はプラスチック廃棄物であり、そのうち70%は使い捨て皿、容器、ストローなどの使い捨てプラスチックでした。

一方、パルプおよび紙ベースの容器は、時間の経過とともに分解するため、環境にやさしいですが、水、油、グリースに対する耐性ははるかに低くなります。プラスチックのコーティングを施すことで、容器のこれらの品質を向上させることができますが、容器のリサイクルがより困難になります。PFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)のような物質を加えると、耐水性、耐油性、耐グリース性は向上しますが、深刻な健康上の懸念と環境への危険をもたらします。

そこでMehdi Tajvidi准教授らは、ナノセルロースと結合した薄い木粉複合材料にリグニン含有CNFの耐油層をコーティングすることにより、CNFを複合材料のバインダーとして使用するとともに、酸素、水、油、グリースに対するバリア特性を備ええることを目指しました。

開発された容器は、CNFとリグニン含有CNF木粉複合材料で構成されており、毒性がなく、生分解性があり、強く、硬く、油やグリースに耐性があります。
さらに耐水性を向上させるために、ミョウバン(製紙業界で粒子の保持力を高めるために長い間使用されてきた物質)を使います。

改良された容器も完全にリサイクル可能であることがわかりました。研究者はサンプルを分解して再形成することができ、複合材料はその構造と耐油性および耐グリース性を保持していました。

詳しい内容は、UMaine Newsの記事をご覧ください。

セルロースナノファイバー実装電気自動車で米国レース参戦(2022年6月1日)

大王製紙はセルロースナノファイバー(CNF)の事業化に向け、米国コロラド州で6月20日~26日に開催されるレース、第100回パイクスピークインターナショナルヒルクライムに参戦するモータースポーツチーム・SAMURAI SPEEDと今年もパートナーシップを結び、レースカー部材での CNF 実装検証を行うことを、同日付のプレスリリースで発表しました。

大王製紙は2018年にSAMURAI SPEED とのパートナーシップを契約し、日産リーフのエアロパーツにCNF 成形体を活用するところろからスタートし、毎年、CNF部材の適用範囲を広げてきました。

2021 年度は環境にやさしい電気自動車、日産リーフ e+をベースとしてCNF複合樹脂をドアミラーに、CNF成形体をルーフパネル、ドア全てに活用しました。2022 年度は前年度のパーツに加え、CNF連続成形体をフロントボディ、リアボディに採用しました。なおCNF連続成形体は愛媛大学、川之江造機株式会社との共同開発によって、従来のバッチ式で生産していたCNF成形体を連続式で製造した素材です。CNFの使用範囲を広げることで、軽量化・燃費向上によるCO2削減につなげ、CNF部材の一般車両への実装化、SDGs への取り組みを進めます。

CNF複合樹脂(製品名:ELLEX-R55)は、CNFにより樹脂の強度改善が実現できる素材です。セルロース濃度 55%の高濃度ペレットとして供給しており、樹脂材料設計の自由度が高く、樹脂の混練・成形加工メーカーで使用しやすい特徴があります。今年3 月には三島工場に複合樹脂パイロットプラントを設置し、一貫製造プロセス確立に向けた実証、サンプル供給量の増大を目的に、稼働を開始しています。

一方、CNF成形体(製品名:ELLEX-M)は、CNFとパルプ繊維を複合化したCNF高配合の成形体で、軽量かつ高強度というCNFの特徴を生かしたシート形状の高性能材料であり、性能は汎用プラスチック材料を大きく上回る力学物性を示し、熱特性にも優れています。

詳細は、同社のプレスリリースをご覧ください。

なお5月24日に、SAMURAI SPEEDの運営会社である、株式会社ゼロイースクエアから、関連するプレスリリースが出ています。