ナノセルロースニュース2022年2月

水野金属商事、CNFを使った銅抗菌剤と抗菌性綿製品を開発(2022年2月24日)

水野金属商事(愛知県豊田市)は、愛知県の公設試、あいち産業科学技術総合センター産業技術センターの技術支援によって、セルロースナノファイバー(CNF)を添加した銅の抗菌剤開発するとともに、抗菌剤を綿布に塗布したスマホケースやマスクケースなどの抗菌性綿製品の試作品を製造しました。

愛知県のウェブサイトで同日発表された内容によりますと、水野金属商事株式会社は、近年の抗菌製品のニーズ増加に着目し、銅の抗菌剤開発を行ってきました。その過程であいち産業科学技術総合センター産業技術センター(あいち産技センター)センターの支援を受け、CNFを添加した水分散系の抗菌剤の試作に成功しました。

一方で、日清紡テキスタイル株式会社とあいち産技センターは、銀などの機能性素材を綿製品に固定化するための石油由来のバインダーの代替としてCNFを用いる技術を共同開発し、特許を出願しています(2021年7月16日、特願2021-117558)。水野金属商事の抗菌剤開発及び綿製品への加工には、本特許技術を応用しています。

今回開発された抗菌剤の特長は、
・CNF添加の効果で銅が均一に分散するため、綿布への均一な塗布が可能。
・乾燥時にCNFが形成する膜が、綿布からの銅の脱落を防止するため、銅の固定化のために従来用いていた、石油由来のバインダーの削減が可能。
・CNFと綿が植物由来であるため、石油由来のプラスチックの削減が可能。
とのことです。

なお、今回使用したCNFは、あいち産技センターと共同で特許を取得した吉田機械興業製の湿式微粒化装置(商品名:ナノヴェイタ、特許第5232976号)を使用したそうです。この装置で処理することで太さ数十ナノメートルのファイバーになります。またあいち産技センターは、これまでにCNFを用いた砥石や液体せっけんに添加するスクラブ剤などを企業と共同で開発しています。

今回の抗菌剤の内容については、愛知県のホームページをご覧ください。

日本資材、CNFとカーボンナノチューブ複合材を拡販へ(2020年2月19日)

工業用資材の製造・販売を行う日本資材が、セルロースナノファイバー(CNF)とカーボンナノチューブ(CNT)の複合材を拡販するという記事が、化学工業日報に掲載されました。

化学工業日報のウェブ版に2月18日に掲載された記事によりますと、この複合材はCNTの分散液を使ったもので、CNTが持つ導電性を維持したまま、CNFの繊維の間に浸透・吸着させることで作られるものです。リチウムイオン電池の電極材料として使うために、この複合材をさらに発展させたカーボンナノチューブ電極材を使って、活性炭メーカーとサンプルワークを続けているそうです。

なお日本資材は滋賀県のR&Dセンターで、少なくとも2017年からこの複合材の研究開発を続けており、展示会や講演会で概要を公表しています。記事の詳細については、化学工業日報の記事をご覧ください。

宮崎の有限会社へいわ、CNFを使ったネームプレートの販売を開始(2022年2月19日)

印鑑、印章、ゴム印の製造や印刷を手掛ける宮崎市の有限会社へいわが、セルロースナノファイバー(CNF)を使ったネームプレートを開発し、販売を始めたことを、自社のInstagramで公表しました。

商品名はファイバーネームで、縦3cm、横7cm、厚さ0.2cmで価格は印刷代込みで770円です。地元の宮崎太陽銀行が採用を決め、今春から全行員700名が使用するとのことです。さらに同社がすでに納品した3万個についても、置き換えを勧めるとのことです。

 

写真はInstagramより引用

同社は素材等については公表していませんが、北越東洋ファイバーが製造・販売しているバルカナイズドファイバーを使用しているものと推定されます。これはCNFを固めたもので、100%バイオマス素材です。
同社のウェブサイトによりますと、CNFを使用した「紙クリップ・しおり」が販売されています。

米Bucha Bio、ヒューストンに拠点を開設(2022年2月19日)

バクテリアナノセルロースから人工皮革を製造するアメリカの企業Bucha Bioは、テキサス州ヒューストンに次世代材料本部を開設すると発表しました。

ヒューストンのローカルウェブサイト Houston Innovationmap.comに2月18日に掲載された記事によりますと、バクテリアナノセルロースから皮革の代替品を製造するために2019年にニューヨークに設立されたBuchaBioは、ヒューストンのイーストエンドメーカーハブに次世代材料本部を開設すると発表しました。Bucha Bioは、GreentownLabsのメンバー企業としても認められています。

2021年秋、Bucha Bioは、ヒューストンを拠点とするNew ClimateVenturesが主導する550,000ドルの資金を調達しています。またヒューストンを拠点とするHalliburton Energy Servicesから、石油およびプラスチック業界で経験豊富な研究者を採用しています。

またBucha Bioのような世界クラスのエネルギー転換企業をヒューストンに進出することは、双方にメリットがあります。Bucha Bioは、ライス大学、ヒューストン大学、テキサスA&M大学などの多様な人材プールを活用できるだけでなく、キャリアの移行を目指している現存する豊富な人材を活用する立場にあります。

なおこの記事はBucha Bioのプレスリリースを引用しているようですが、ナノセルロース・ドットコムが調べた範囲では、プレスリリースは見つかっていません。詳細はHouston Innovationmap.comの記事をご覧ください。

モリマシナリー、岡山県産ヒノキからのCNFを量産化へ(2022年2月18日)

モリマシナリーは、岡山県産ヒノキを原料として機械解繊で製造しているセルロースナノファイバー(CNF)の量産化を進めるという記事が日本経済新聞に掲載されました。

日経電子版に2月17日に掲載された記事によりますと、同社のCNFは粘性が強く、プラスチックと融合することで強度を高めることができ、熱による変形も抑えられることから、同社の主力製品に育てるとのことです。また野外での劣化が少ないことも確認しており、今後、用途開拓や拡販を進めるということです。

この記事に関連して、モリマシナリーからはプレスリリース等は出ていません。また記事の内容は数年前から同社が公表している内容と同じです。記事の詳細については、日経電子版の記事をご覧ください。

ノルウェーNorske Skog、ナノセルロースの研究開発資金を受領(2022年2月18日)

ノルウェーに本社を置く製紙会社Norske Skog Saugbrugsは、ナノセルロースとバイオコンポジットへの投資に対して、グリーンプラットフォームプログラムを通じて、6,000万ノルウェークローネ(=7.2億円)の研究資金を政府から受け取りました。

MarketScreenerに2月17日に掲載された記事によりますと、Norske Skog Saugbrugsは、石油ベースの原材料の削減とプラスチックのリサイクルの増加のために、ナノセルロースのCEBINAと、バイオコンポジットのCEBICOの研究開発を進めています。

ナノフィブリル化したセルロースであるCEBINAは液体の流動特性を改善するとともに、固体の補強を行うことができる材料です。紙と接着剤の強度の向上や、塗料やフィラーのドリップ防止効果があり、広範なマーケティング活動の結果、ノルウェー国内・国外の外部顧客に販売されています。年産能力300トンの設備は、2021年12月に竣工しました。

なお、グリーンプラットフォームプログラムには、Brenntag, Quantafuel, Replast, Norske Skog Saugbrugsといった原材料を供給する企業だけでなく、Gjøco, PipeLife, NCP, Katoplast, Hallingplast, Arkeoplanといったアプリケーション開発を行う企業や、SINTEF, RISE PFI, IFEといった研究機関も加わっています。

詳細はMarketScreenerの記事をご覧ください。

メイン大学、ドイツKiefel社の繊維熱成形機を導入(2022年2月16日)

アメリカ・メイン大学(UMaine)のプロセス開発センター(PDC)は植物繊維から包装容器を製造するための繊維熱成形機を、ドイツKiefel社とのパートナーシップにより導入したことを発表しました。

メイン大学のUMaine Newsや、地元のウェブサイトNews Center Maineが2月15日付で伝えた内容によりますと、ドイツのジークスドルフに本拠を置くBruecknerGroupの一部である熱成形および接合技術の国際的リーダーであるKiefel社は、繊維熱成形の専門知識を拡大および加速するための主要な研究パートナーとしてUMaineを選びました。熱成形は、伝統的にプラスチックで採用されている製造プロセスであり、熱と圧力を使用して、金型を使用して材料のシートを3次元オブジェクトに成形します。Kiefel社の繊維熱成形機を使用すると、プラスチックの代わりに、セルロース、わら、植物などの天然繊維から包装容器を作ることができます

過去3年間、同社は天然植物繊維から作られた熱成形包装製品を製造するための一連のNATUREFORMERKFTマシンを開発してきました。UMaineは、再生可能包装の研究開発用の機械が導入された米国で最初の大学となりました。PDCに導入されたNATUREFORMERKFT Labマシンは、Kiefel社の市販ユニットの小型バージョンであり、研究開発および製品開発用に特別に設計されたものです。

メイン大学プロセス開発センター(PDC)は、パルプおよび紙用途の繊維の処理に関する専門知識で長い間認められており、メイン州の林産物産業向けの再生可能パッケージ研究を大幅に前進させるたるの技術開発の本拠地となっています。

詳細はUMaine Newsをご覧ください。

オレゴン州立大学、リンゴ搾りかすを包装材料にする研究(2022年2月15日)

オレゴン州立大学の研究グループが、リンゴの搾りかすを古新聞由来のパルプに混ぜ、リグニン、キトサン、グリセロールを加えることで耐水性を改善した食品包装材料を開発したことが、オレゴン州立大学のウェブサイトで公表されました。

オレゴン州立大学のNewsroomに2月14日に掲載された記事によりますと、同大学のYanyun Zhao教授の研究チームは、古新聞に替わる成形パルプの材料として、リンゴの搾りかす、果物や野菜ジュースの加工残渣、ワイン製造残渣を研究しています。リンゴがジュース用に処理されると、70〜75%がジュースになり、残りの25〜30%が搾りかすとして残ります。この搾りかすは堆肥か、動物飼料として使われていますが、これを果物や野菜に使用される包装容器、植木鉢、飲料用カートンやボトル、クラムシェル包装などで使われるプラスチックの代替品として使うことを考えました。

搾りかすや紙ベースのパッケージを作成する際に解決すべき重要な問題の1つは、耐水性を改善して、高湿度、液体食品、または非食品や高湿度条件下で保管される製品に耐えられるようにすることです。そのため研究グループではパルプ配合物に耐水性を改善する特性を持つポリマーと化合物を組み込むことを考えました。具体的には、リグニン、キトサン、グリセロールです。

リグニンは、ほとんどの植物の支持組織で重要な構造材料を形成するポリマーです。この研究では、特にリグニンが豊富なルバーブ搾りかすを使用しました。キトサンは、製紙業界で一般的に使用されているバイオベースのポリマーです。以前の研究では、キトサンが水素結合を介してセルロースナノファイバー(CNF)繊維にキトサンを吸着することにより、CNFフィルムの吸水率を大幅に低下させることがわかっていました。さらにグリセロールは、材料をより柔らかく、より柔軟にするために添加される有機化合物です。以前の研究では、低レベルでグリセロールが吸水率を低下させることがわかっていました。

研究グループでは、成形パルプ包装製品の安定性のために少量の段ボール繊維を追加しながら、これらのポリマーと化合物の最適量を決定しました。さらにリンゴ搾りかすベースの製品の表面に簡略化されたワンステップコーティングを適用して、耐水性を強化しました。

詳細は同大学のNewsroomの記事をご覧ください。

マサチューセッツ工科大学、CNCと合成ポリマーを混ぜた化合物を作成(2022年2月14日)

マサチューセッツ工科大学(MIT)はセルロースナノクリスタル(CNC)と合成ポリマーから、骨のように丈夫で、アルミニウムのように硬い複合材料を作成したことを発表しました。

MITのウェブサイトのMITニュースに2月10日に掲載された記事によりますと、MITのA. John Hart教授の研究チームは、CNCと少量の合成ポリマーを混合して作られた複合材料を設計しました。CNCは材料の約60〜90%を占めます。これは、これまでにCNCから作られた複合材料の中で、最もCNCの比率が高いものになります。

木の最強の部分は、その幹や広大な根ではなく、その微細な細胞の壁にあります。単一の木製セル壁は、自然界で最も豊富なポリマーであり、すべての植物と藻類の主要な構造成分であるセルロースの繊維で構成されています。各繊維の中には、ほぼ完全な結晶パターンに配置された有機ポリマーの鎖であるCNCがあります。ナノスケールでは、CNCはケブラーよりも強力で剛性があります。結晶をかなりの割合で材料に加工することができれば、CNCは、より強く、より持続可能で、天然由来のプラスチックへの道となる可能性があります。

研究チームは、セルロースベースの複合材料が、ある種の骨よりも強くて丈夫であり、典型的なアルミニウム合金よりも硬いことを発見しました。この材料は、真珠層に似たレンガとモルタルの微細構造を持っています。これは、一部の軟体動物の硬い内殻の裏地です。

研究チームは、3D印刷と従来の鋳造の両方を使用して製造できるCNCベースの複合材料のレシピを考えました。彼らは、複合材料を印刷してペニーサイズのフィルムにキャストし、材料の強度と硬度をテストするために使用しました。彼らはまた、複合材料を歯の形に機械加工して、この材料がいつの日かセルロースベースの歯科インプラント、さらに言えば、より強く、より丈夫で、より持続可能なプラスチック製品を作るために使用される可能性があることを示しました。

高負荷でCNCを使用して複合材料を作成することにより、ポリマーベースの材料にこれまでにない機械的特性を与えることができます。また石油ベースのプラスチックを天然由来のセルロースに置き換えることができれば、それは地球にとっても間違いなく良いことです。

詳細はMIT ニュースの記事をご覧ください。

ヤシのCNFをコンクリートに混ぜることで補強材として使う研究(2022年2月12日)

ヤシの一種ラフィア(Rafia)のナノフィブリル化セルロースを0.1~0.5%、コンクリートに加えることで、ボイド(空隙)を埋め、ナノスケールの亀裂の伝播を阻止し、充填密度を向上させるという研究結果が発表されました。

Case Studies in Construction Materialsの最新号に掲載された論文によりますと、ヤシの一種ラフィア(Rafia)から採ったセルロースを機械的に解繊して得られたナノフィブリル化セルロース(=セルロースナノファイバー、CNF)をコンクリートに加え、物理的、熱力学的、熱的特性を調べました。その結果、コンクリートの保水性や熱容量に影響を与えずに、弾性率を向上できることがわかりました。。

ラフィアは、豊富で成長が早く安価な資源であるため、熱帯地域の低所得労働者が経済的な建設資材を手に入れる大きなチャンスになります。ラフィアはその断熱性、物理的機械的効率、および建築補強の有効性を評価するために数多くの研究の対象となっています。

この研究では、Raphia vinifera由来のCNFをセメントと土に混ぜた複合材料の濃度、透過性、乾燥収縮、弾性率、熱容量にどのように影響するかを調べています。少量のラフィアCNFを無機材料に組み込むことで、熱容量、剛性、耐久性が改善された環境に優しい低コストの建築材料を製造することが可能となります。

なおこの研究はナイジェリア、カメルーン、ブラジルの共同研究チームによるものです。フルペーパーはこちらから読むことが可能です。

セルロースナノファイバーが入ったチョコレートを発売(2022年2月8日)

セルロースナノファイバーを加えたチョコレートを沼津の雅心苑という菓子店が開発し、限定販売を始めました。

同日付の静岡新聞のWeb版で公開された記事によりますと、静岡県東部で菓子店を展開する雅心苑が、セルロースナノファイバー(CNF)を使ったバレンタイン向けのチョコレートの新商品を開発し、限定販売を始めました。今回の商品はフォンダンショコラと生チョコトリュフで、生地の保水性などが向上し、生産性が増したとのことです。

これは日本製紙が製造するCNFセレンピア®を使用したもので、県内菓子店と静岡新聞社・静岡放送がコラボして商品化する「未来のお菓子を作ろうプロジェクト」の一環です。3月にはひな祭りに合わせて常盤木羊羹店(熱海市)と開発した商品「ハート最中」が販売される予定とのことです。

詳細は静岡新聞の記事をご確認ください。

特種東海製紙、CNFを使ったリチウムイオン電池用セパレーターを市場投入へ(2022年2月5日)

特殊東海製紙が、セルロースナノファイバー(CNF)を使用したリチウムイオン二次電池向けセパレーター(絶縁体)を今年年央に市場投入することを、2022年2月4日付の日刊工業新聞電子版が報じました。

特種東海製紙は2013年 10月からリチウムイオン二次電池向けセパレータのテスト兼小規模生産用マシンを稼働するなど、セパレーターの開発を進めています。日刊工業新聞の報道によると、従来のプラスチックフィルムを使ったものに比べて加工が容易で、高い耐熱性や電解液浸透性があり、しかも低コストということです。
なお本件に関して、特種東海製紙からのニュースリリース等は行われていません。

詳細は日刊工業新聞の記事をご覧ください。

坂角総本舗、キチンナノファイバーの入ったハンドクリームを発売へ(2022年2月2日)

名古屋土産の海老せんべい「ゆかり」を製造・販売する坂角総本舗が、マリンナノファイバーの協力で、エビ殻からキチンナノファイバーを製造し、これが入ったハンドクリームを販売することを2月1日にプレスリリースとして発表しました。

ハンドクリームの名称はEBIKARA MIRAIで、2月7日からオンライン通販限定で販売されます。内容量50gで販売価格は2,970円(税込)です。エビ殻由来の超微細キチンナノファイバーが肌に密着して潤いを与え、水に強く、乾燥や刺激から手を守ります。

海老せんべい「ゆかり」は1枚に7尾の天然海老を使用し、カルシウムとたんぱく質が豊富ですが、海老は頭を取って殻をむき、身だけを使用しています。残った殻の活用が課題でしたが、今回その一部がハンドクリームの原料になったとのことです。

詳細は@Pressに掲載された同社のプレスリリースをご覧ください。

オーストラリアのナノロース、四半期活動レポートを公表(2022年2月1日)

バクテリアセルロースから衣料用繊維の商業生産を目指すNanollose Limitedが、四半期活動レポートを公表しました。

Nanollose Limitedは、環境への影響を最小限に抑えて繊維や布地を作成する技術を商業化する大手バイオマテリアル企業です。株主と投資家向けに2021年12月31日に終了する四半期の活動の概要を1月31日に公表しました。

ナノロースのCEO、Wayne Best氏によると、ナノロースは、四半期中に重要なマイルストーンを達成し最初のパイロットスケール処理であるNullarbor®リヨセル繊維の製造における最後から2番目のステップを完了しました。

この期間中、ナノロースは最初のパイロットファイバースピンを完了させるべく活動しましたが、Covid-19に関連する遅延により、終了時期は2022年2月になります。これは、当社の植物不使用のNullarbor®リヨセル繊維の商業化に向けた最も重要なマイルストーンとなります。今後、提携先のビルラセルロースに追加バッチを供給することで、パイロット規模のファイバースピンに備えた処理はほぼ完了する予定です。

廃棄物から繊維へのプロセス全体を合理化するために、これらの最初のパイロット試験から得られた情報を繊維生産の改善に組み込む作業も進行中です。報告期間中、当社はパイロットスピンに至るまでに得られた知識を活用して、製品仕様を改良し、品質管理の方針と手順を定義し、さらに改良し続けました。。

この期間中、当社から材料を入手することに関心を示した主要なファッションおよびテキスタイルブランドとの話し合いを行いました。また引き続きファッションコンサルタントのCarlaWoidtと緊密に協力し、今後の当社の戦略に最も適したパートナーを選出しました。

当社は、バクテリアセルロースからの高靭性リヨセル繊維およびその調製方法と題する特許を、グラシム(Grasim)と共同でPCT出願しました。

ナノロースとビルラセルロースは、糸に変換済みの少量のNullarbor®リヨセル繊維を生産していますが、Carla Woidtと緊密に協力して、この革新的な繊維を紹介するための衣服のデザインを、オーストラリアを代表するファッションデザイナーの1人に依頼しています。またNanolloseはオーストラリアを拠点とする衣料品メーカーと契約を結んでおり、このデザインを使用して、Nullarbor®リヨセル繊維から作られた初の衣料品を製造する予定です。

さらにナノロースは今後高成長が見込まれるパーソナルワイプ市場を含む不織布繊維用途向けのNufolium®の商業化を目指しており、不織布セクターで使用するための高靭性リヨセルについても検討する予定です。

詳しい内容は、同社のレポートをご覧ください。