- 1 スイスのスタットピール社、日本でモニタリング装置の販売を本格化(2022年1月27日)
- 2 インド、韓国、シンガポールのグループがCNF透明フィルムを開発(2022年1月27日)
- 3 カナダのAnomenaがCosmetics Alliance Canadaに加入(2022年1月26日)
- 4 スギノマシンがセルロースナノファイバー活用に関する技術資料を公開(2022年1月25日)
- 5 日本製紙、化粧品6割引きキャンペーンの第二弾を実施(2022年1月25日)
- 6 中国でバクテリアナノセルロースを使ったストローを開発(2022年1月21日)
- 7 三洋貿易、ノルウェー・ボレガードのCNFを取り扱いへ(2022年1月19日)
- 8 東北大学発のスタートアップ企業、ホヤ殻のCNFから電極触媒を合成(2022年1月19日)
- 9 奈良高専、バクテリアナノセルロースの効率的な生産方法を発表(2022年1月19日)
- 10 CNFを使った高強度・軽量ヘルメットの開発に金沢工業大学が協力(2022年1月15日)
- 11 ユニチカ、2月の展示会にCNF強化ナイロン6樹脂を出展(2022年1月8日)
- 12 日本製紙、セルロースナノファイバー含有化粧品を7割引きで販売(2022年1月6日)
- 13 果物や野菜の鮮度を保つナノファイバーフィルムコーティングの開発(2022年1月5日)
スイスのスタットピール社、日本でモニタリング装置の販売を本格化(2022年1月27日)
Stat Peelは、数年前から、セルロースナノクリスタル(CNC)の暴露量をモニターするためのバッジと検出システム(商品名:Identifier N1)を販売しています。
CSA Group 安全性、社会的利益、持続可能性を専門とするグローバル企業で、カナダ、米国、ヨーロッパ、アジアを含む世界中の規格開発および試験、検査、認証を行う。ナノセルロースの標準化、安全性評価にかかわっている。 国名:カナ[…]
これ以外にStat Peelは以下の分野における製品・サービスを提供可能です。
- カーボンナノチューブ(SWCNT/MWCNT)およびグラフェン検出システム
- ナノシリカ粒子(RCS)検出システム
- 医薬品有効成分(API)および添加剤モニタリングシステム
- その他ナノ化合物(BNNT、TiO2等)検出システム
- データ管理システムおよび消耗品供給・ナノ材料環境曝露量測定サービス
なお、スタットピール社はスイス中部・グラールスに本社・研究拠点を置き、最新のナノ粒子分析法、データ分析テクノロジーを使用して、人や施設を有害なナノ物質汚染から保護するのに役立つ統合センシングソリューションを提供しています。また同社は最先端のナノ物質検出・曝露量測定を最重要研究課題とし、ナノテクノロジー、毒物学、職場安全・労働衛生に関する世界中のイベントや会議に積極的に参加しています。
https://www.statpeel.com
また株式会社イリスは、幕末の1859年に長崎・出島で設立された現存する日本最古の外資系企業であり、ドイツの技術専門商社・エンジニアリング会社でもあります。
創業以来162年間、日本のお客様に欧州のトップクラスの生産加工設備・搬送機器・検査装置・素材・ソリューションなどを提案し、アフターサービスも併せて提供し続けてまいりました。現在、日本では3拠点(東京、名古屋、大阪)で事業展開をしております。
https://www.irisu.jp
詳しい内容は@Pressによるプレスリリースをご覧ください。
インド、韓国、シンガポールのグループがCNF透明フィルムを開発(2022年1月27日)
本日、複数の科学技術情報サイトに掲載された情報によりますと、この研究はインドのGLA UniversityとBirla Institute of Technology Mesra、韓国の仁荷大学、シンガポールのNewcastle Universityの研究者による共同研究です。
セルロースナノファイバー(CNF)から作られた透明フィルムはこれまでにも開発されていますが、このフィルムは、CNFに対して、それぞれ可塑剤および架橋剤として機能するグリセロールおよびグルタルアルデヒドとの間の界面結合相互作用を調整することができた点です。従来、架橋反応は、天然高分子フィルムの機械的特性の弱さを補強し、その機能特性と用途を拡大するために行われますが、その結果、柔軟性と靭性に制約が生じ、フィルムは非常に脆くなってしまいます。
今回開発されたフィルムでは、従来のフィルムと比較して、強度は21.1%、剛性は10.6%、伸展性は100%、靭性は32.7%増加しました。フィルムの光学的透明度および防曇特性は、フィルムの表面を高周波酸素プラズマで処理することで、さらに向上させることができます。
セルロース系フィルムは、食品包装、酸素バリアフィルム、農業(作物成長)、膜蒸留など幅広い用途があり、センサー、生物医学パッチ、オプトエレクトロニクスおよびスマート光学デバイスなどに使うことができます。
詳しくはPhys.orgの記事をご覧ください。
カナダのAnomenaがCosmetics Alliance Canadaに加入(2022年1月26日)
Anomenaは、最高品質のカルボキシル化セルロースナノクリスタル(CNC)の研究開発および製造を行っている企業です。同社は、カルボキシル化CNCを使って、メイクアップやスキンケアで使用されるプラスチックやシリカのマイクロビーズやその他の無機成分に代わる、新しいクラスの生分解性化粧品粉末を作成しました。AnomenaのセルロースマイクロビーズのChromaPurラインは、安全で、すべて天然で、生分解性で、性能の高い代替品です。Anomenaは、化粧品とパーソナルケア製品を対象とする9つの製品群で19件の特許を取得しています。
詳細はCosmetics Alliance Canadaのウェブサイトをご覧ください。
スギノマシンがセルロースナノファイバー活用に関する技術資料を公開(2022年1月25日)
同社はBiNFi-sという商品名でCNFを販売していますが、今回、スギノマシンが発行した技術資料では、セルロースナノファイバーの熱分解特性に関するデータを掲載しています。焼結工程が発生するセラミックスのバインダーの代替としての活用を検討した際に有効なデータとして、「熱重量変化」と「示差熱分析」の実験結果をまとめました。本実験は富山県新世紀産業機構の推進事業で、富山県産業技術研究開発センターと共同で実施したものとのことです。
詳細は同社のニュースリリースからご確認ください。
日本製紙、化粧品6割引きキャンペーンの第二弾を実施(2022年1月25日)
これは日本製紙の子会社で、化粧品の受託製造も手掛ける日本製紙パピリアが、ファンケルと共同で、日本製紙が製造・販売するセルロースナノファイバー(CNF)を使った化粧品4種類を開発し、2021年10月から販売を行っているものです。
1月6日に共同通信が配信し、複数の全国紙、地方紙に掲載された記事では、日本製紙グループの生産拠点がある18道府県の在住者を対象に、1月15日~31日までに限り、4種類のセット(メーカー小売価格22,770円・税込み)を7割引きの6,798円(税込み)でオンライン販売するとのことでした。
今回、日本製紙がニュースリリースで発表したのは、ナノエマルションローション(化粧水)とプロテクティブモイストクリーム(クリーム)のセットを、1月25日~2月1日に限り、メーカー小売価格12,870円(税込み)を6割引きの5,148円(税込み)でオンライン販売するというものです。
詳細は日本製紙のニュースリリースをご覧ください。
ナノセルロース・ドッコム コメント
1回目のキャンペーンが終わらないうちに、2回目のキャンペーンが開始されることや、キャンペーン期間が極端に短いこと、6~7割引きという値引き率、ウェブによる直販など、通常の化粧品では見られない販売手法を取っている点が注目されます。なお化粧品の原価率は10%程度なので、6~7割引きで販売することも物理的には可能です。
中国でバクテリアナノセルロースを使ったストローを開発(2022年1月21日)
マニラタイムズをはじめ、複数のニュースサイトに掲載された記事によりますと、従来のプラスチック製ストローは完全に劣化するまでに数百年かかり、深刻な環境問題や人の健康への潜在的な脅威を引き起こしています。外食産業では紙ストローが使用されていますが、味に影響を与えるうえ、変形しやすい点が問題でした。中国は2020年の初めに、環境汚染を封じ込めるために、今後5年間で環境に優しいプラスチック製品の生産と使用を禁止または大幅に削減するという野心的な計画を発表しています。
研究者は、バクテリアナノセルロース(BNC)から作られた、食べることができる新しいストローを開発しました。Advanced Functional Materials誌に掲載された研究記事によると、ストローは紙ストローよりも優れた機械的性能を実現し、接着剤を使う必要もなくなりました。
BNCで作られたストローは、紙のストローよりも薄くすることができます。BNCの3Dナノファイバーネットワークに、食用着色料または天然植物抽出物を担持することで、さまざまな色や味をストローに付けることもできます。
中国科学報によると、ストローは環境に悪影響を与えることなく、環境中で急速に劣化します。実験では15〜45日で粉々になり、ほとんど消滅します。
詳細は新華社のウェブサイトをご覧ください。
ナノセルロース・ドットコム コメント
中国は海南省でバクテリアナノセルロース(BNC)の生産を行っており、同省ではプラスチック製品の使用を制限するなどして、BNC産業の育成を図っています。日本では紙製のストローが普及し始めたばかりですが、中国では紙製のストローがBNC製のストローに取って変わろうとしています。
生分解性があるという点では、BNCもセルロースナノファイバー(CNF)も同じなので、今後BNC製のストローが、さらに安価なCNF製のストローに置き換わる可能性もあります。
三洋貿易、ノルウェー・ボレガードのCNFを取り扱いへ(2022年1月19日)
三洋貿易株式会社は化学品事業部 産業資材部において、ノルウェーのパルプ・製紙・バイオリファイナリー企業であるBorregaard(ボレガード)社のセルロースナノファイバー(CNF)の取り扱いを始めました。これはBorregaard社が従来よりExilva® という商品名で販売しているものです。株式会社イプロスのウェブサイトに記載された仕様は次の通りです。
- 製品:ミクロフィブリル化セルロース(MFC)
- 原料・製造方法:ノルウェー産オウシュウトウヒ(針葉樹)を原料として、木材パルプを機械解繊のみで処理して製造した。
- 性状:セルロースナノファイバー(CNF)よりも大きな繊維だが、枝分かれした繊維形状のため比表面積が大きい。
- 用途:水系配合中で三次元ネットワークを形成することで、製品に強度、レオロジーコントロール、沈降防止、保水性などさまざまな特性を付与できる。また、樹脂やゴムの補強材としての可能性もある。
- 製品形態:含水品
詳細は株式会社イプロスのウェブサイトでご覧いただけます。
セルロースナノファイバー(CNF)は世界各国で製造・販売されており、多くの企業が日本への売り込みに積極的です。日本国内で製造される CNF の大半は、木材パルプが原料ですが、海外ではさまざまな原料が使われており、国内の CNF とは異なる特[…]
東北大学発のスタートアップ企業、ホヤ殻のCNFから電極触媒を合成(2022年1月19日)
ニュースリリース配信サービスのPRTimesで同日配信された内容によりますと、東北大学発スタートアップ企業であるAZUL Energy株式会社(仙台)、東北大学材料科学高等研究所藪研究室、北海道大学、宮城大学からなる研究グループは、産業廃棄物であるホヤ殻中のセルロースナノファイバー(CNF)を炭化すると品質のよい炭素となり、畜産業から出る廃棄血液中にはヘム鉄や窒素・リンなどの元素が含まれていることに着目し、これらを混合・焼成することで様々なヘテロ元素が導入されたナノサイズの「ナノ血炭」が合成できることを実証しました。さらに、得られたナノ血炭は白金炭素触媒などのレアメタルを用いた電極触媒に匹敵する性能を示すことを見出しました。
この成果は、処理に困っていた産業廃棄物を、次世代エネルギーデバイスとして期待される燃料電池、金属空気電池やグリーン水素を製造するための水電解システム用電極触媒などへ応用して活用する技術として期待されます。この研究成果は、1月18日に英文誌 Science and Technology of Advanced Materials(STAM)のオンライン速報版に掲載されました。
Hiroshi Yabu, et.al., Bifunctional rare metal-free electrocatalysts synthesized entirely from biomass resources. Science and Technology of Advanced Materials (STAM)
URL:https://doi.org/10.1080/14686996.2021.2020597
これまで研究グループでは、FeN4構造を持つ青色顔料の一種である鉄アザフタロシアニンを炭素材料に担持することにより、Pt/Cに匹敵するORR触媒が得られることを見出しています。また、ホヤ由来セルロースをポリドーパミンなどの窒素含有ポリマーで被覆し、焼成することでORR触媒として機能することを報告しています。今回研究グループは、ホヤ殻から抽出したCNFと血粉をさまざまな比率で混合し、温度を変えて焼成することにより、CNF由来のナノサイズの炭素構造と血粉由来のヘテロ元素がドープされORR・OERの両方に高い活性を持つ両性電極触媒「ナノ血炭」の合成法を見出しました。
本研究の成果は以下の三つの点で重要な成果と考えられます。
- ホヤ殻に含まれるセルロースナノファイバー(CNF)の炭化による炭素と血液中に含まれる鉄・窒素・リンなどが複合化された「ナノ血炭」を初めて合成。
- 炭素の導電性とヘテロ元素の触媒活性により、レアメタルを用いた電極触媒に迫る酸素還元反応・酸素発生反応触媒活性を持つ両性電極触媒を実現。
- 三陸地域の課題となっていた産業廃棄物の活用と、エネルギー循環社会に資する次世代エネルギーデバイス用高性能触媒材料の合成によりSDGsに貢献。
本研究成果は三陸地域特産のホヤ殻や畜産から生じる廃棄血液を有効利用することで、資源循環を促すことにつながります。また、金属空気電池は次世代エネルギーデバイスとして知られ、すでに欧米では太陽光や風力により発電された電力を一時的に貯蔵し、電力平準化に金属空気電池を用いる試みが進められており、エネルギー循環の一翼を担うものと期待されています。
以上のことから、本研究で見出されたナノ血炭に関する研究は資源循環・エネルギー循環を通して、SDGsに大きく貢献するものであると考えられます。
詳細はニュースリリースをご確認ください。
ナノセルロース・ドットコム コメント
ホヤのセルロースナノファイバー(CNF)を使った研究ですが、廃棄されているホヤの被のうを有効利用したことと、ホヤの被のうに含まれるセルロースの純度が高いことを利用したものであり、CNFの特性を利用したものではありません。
奈良高専、バクテリアナノセルロースの効率的な生産方法を発表(2022年1月19日)
論文のタイトルは、Stearate Liquid Marbles for Bacterial Cellulose Production: Influence of the Liquid Marble Interface on Bacterial Cellulose Properties(バクテリアセルロース生産のためのステアリン酸液体大理石:液体大理石の界面がバクテリアセルロースの特性に及ぼす影響)で、2022年1月18日に公開されたJ. Phys. Chem. Cに掲載されています。
概要の日本語訳は次の通りです。
バクテリアセルロース(BC)生産のために液体大理石(LM)で行われた好気性細菌培養を報告します。LMは水溶液を疎水性粒子でコーティングすることによって安定化された液滴であり、液体コアと疎水性粒子の界面を介した蒸気と気体の移動を可能にします。LMを形成するために、安全な食品グレードのステアリン酸微粒子を使用しました。好気性酢酸菌Komagataeibacter xylinusを含むLMは、酢酸菌の細胞を加えた液体培地をステアリン酸カルシウム粉末層に滴下し、ステアリン酸カルシウム微粒子で完全に覆うように転がすことにより、正常に調製されました。
細胞を含むLMを静的に培養すると、細胞がBCを生成し、コア溶液はヒドロゲルになりました。得られたヒドロゲル(LM-BCゲル)は、従来の試験管や三角フラスコを使用して調製したものよりも高い保水力を示しました。走査型電子顕微鏡(SEM)観察では、LM-BCゲルの表面のBC繊維は、従来のシステムで作成されたものよりも太く、従来のBC構造とは異なる大きな穴のあるネットワーク構造を形成していることがわかりました。
LMで調製されたBCは、ゲルの外面にのみ特徴的な構造を持っていることがわかりました。バクテリアの動きがセルロース繊維の分泌の逆力によって駆動されることを考慮すると、LM界面付近の細胞は従来の培養システムとは異なる動きをすることがわかりました。LMごとに生成されるBCの量は、LMのコアボリュームに直線的に比例していました。さらに、コアの体積を変更すると、表面積対体積比に大きな影響がありましたが、培地量あたりのBC産生量には影響しませんでした。このことからステアリン酸LMシステムは、好気性酢酸菌によるBCの生成を可能にし、LM界面は生成されたBCの特性に重要な役割を果たすことがわかります。
CNFを使った高強度・軽量ヘルメットの開発に金沢工業大学が協力(2022年1月15日)
金沢工業大学のウェブサイトに、ニュースとして2021年12月21日に掲載された記事によりますと、応用化学科の附木貴行講師、吉村治教授が株式会社ウインズジャパンと進める、植物由来の新素材であるCNFを使ったヘルメット開発の取り組みが、公益財団法人石川県産業創出支援機構(ISICO)の機関紙に掲載されたそうです。
この記事によりますと、附木講師、吉村教授は、ISICOの紹介をきっかけに、石川県でバイク用ヘルメット製作・販売を手がける株式会社ウインズジャパンと2019年度から共同開発を開始し、CNF製のヘルメットを開発しました。CNFを用いることで、オートバイ用のヘルメットに使用される従来のガラス繊維複合材料よりも高い強度を実現するとともに、軽量化によりヘルメット装着時の首への負担を軽減するなどの機能性をもたせることに成功しました。
試作したヘルメットはCNFだけから作りましたが、CNFは価格が高いため、事業化・量産化には製造コストの削減が必要です。そのため、セルロースマイクロファイバー(CMF)、バイオマス繊維の不織布、混抄紙、織物などとともに積層複合化する技術を研究したほか、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などのハイブリット積層体の成形加工の技術も実現しています。今後、さらなる強度の向上、軽量化を視野に研究を行っています。
ヘルメット製作に使用したハイブリット積層体の技術は、家具、スケートボード、スノーボードなどの成形加工に応用することが可能であり、さまざまな潜在能力があります。2021年からは、企業TEC STYLEが成形加工を担当し、より精巧なヘルメットの作製に取りかかっているとのことです。
詳しい内容は、金沢工業大学のウェブサイト、並びにISICOの情報誌をご覧ください。
ユニチカ、2月の展示会にCNF強化ナイロン6樹脂を出展(2022年1月8日)
ユニチカ株式会社中央研究所は、下記の要領でテクニカルショウヨコハマ2022に出展することを同社のウェブサイトで1月7日に発表しました。
- 日時:2022年2月2日(水)~2月4日(金)10:00~17:00
オンライン展示は2月10日(木)まで - 会場:パシフィコ横浜
- 展示内容:
柔軟耐熱フィルム、柔軟耐熱ポリアミド、セルロースナノファイバー強化ナイロン6樹脂、天然由来フィラー配合ポリアミド6フィラメント、イミド系エポキシ硬化剤、磁性ナノワイヤー、導電性ナノワイヤー、耐溶剤性中空糸膜モジュールWINSEP® MF / UF
詳細は同社のウェブサイトでご確認ください。
日本製紙、セルロースナノファイバー含有化粧品を7割引きで販売(2022年1月6日)
日本製紙の子会社で化粧品の受託製造も手掛ける日本製紙パピリアは、2021年10月にファンケルと共同で、日本製紙が製造・販売するセルロースナノファイバーを使った化粧品4種類を開発し、販売を行っていました。
CNFを使った印刷型フレキシブル湿度センサの試験販売開始(2021年10月29日) 株式会社太陽機械製作所(東京・羽田)は、屈曲性を備え、環境に優しく、設計自由度の高いT-Print-Sensor(高柔軟性湿度センサ)を開発し、用途探索の[…]
ところが今回配信された記事では、4種類のセット(メーカー小売価格22,770円・税込み)を7割引きの6,798円(税込み)でオンライン販売するとのことです。しかし、
- 購入ができるのは、日本製紙グループの生産拠点がある北海道、宮城県、静岡県、島根県、山口県など18道府県の在住者に限られる。
- 購入ができる期間は、2022年1月15日~31日のみ。
- 配信記事や各紙の報道では、購入方法は一切不明。
- 日本製紙、日本製紙パピリアのウェブサイトには、本件に関する告知が見当たらない(プレスリリースがない)
など、不可解な点があります。
なお、具体的な商品は次の通りです
- ジェントルクレンジングオイル 内容量:110ml、メーカー販売価格:5,280円
- トリートメントフェイスウォッシュ 内容量:100g、メーカー販売価格:4,620円
- ナノエマルションローション 内容量:140ml、メーカー販売価格:6,050円
- プロテクティブモイストクリーム 内容量:40g メーカー販売価格:6,820円
ナノセルロース・ドットコム コメント
化粧品には使用期限があり、通常は未開封の状態で生産から3年です。化粧品はバッチ生産で一度にある程度の数の商品を製造しますが、使用期限までの期間が短くなると定価販売は難しくなります。同社が今後も化粧品の製造販売を継続するのか、注目したいと思います。
果物や野菜の鮮度を保つナノファイバーフィルムコーティングの開発(2022年1月5日)
スイス連邦材料科学技術研究所(Empa)のウェブサイトで1月4日に公表された内容によりますと、食品スーパーで使われるプラスチック包装は、果物や野菜を腐敗から保護しますが、大量の廃棄物を生み出します。Empaの研究者は、大手食品小売業者のLidl Switzerlandと共同で、再生可能な原材料に基づいた果物と野菜の保護カバーを開発しました。このプロジェクトでは、Empaがセルロース製品に関する数十年の研究経験を持っていたため、LidlはEmpaをパートナーとして選択しました。
EmpaのCellulose & Wood Materials laboratoryでの1年以上の研究の結果、コーティングされた果物と野菜の鮮度を長く保つことに成功しました。例えばバナナの貯蔵寿命は1週間以上延びました。
下の写真は、ニンジンジュースの搾りかすから、漂白したCNF(Bleached CNF)と漂白していないCNF(Unbleached)でコーティングしたときと、コーティングしていないときで、バナナがどのように変化するかを示したものです(出典:Empa)。
この技術を使うことで、プラスチック廃棄物だけでなく、食品ロスも大幅に削減されます。将来的には、この技術が、多くの石油ベースのパッケージに取って代わると考えられます。これまで果物や野菜の搾りかすは、畑に還元するか、バイオガス(メタンガス)の原料になっていました。今後は、フィルムコーティングの材料として使われる予定です。
ナノファイバーフィルムコーティングはスプレーされます。CNFは消費者に無害ですが、食べる前に水で洗い流すこともできます。
この技術は、スイス国内に約150店舗あるLidlの店舗で使用される予定です。これからさらに2年間、改良研究を行いますが、コーティングにビタミンや抗酸化剤などの添加物を加えることも検討されています。
詳細はEmpaのウェブサイトをご覧ください。