ナノセルロース・セルロースナノファイバーに関する世界のニュース 2020年2月

ナノセルロース、セルロースナノファイバー(CNF)、セルロースナノクリスタル(CNC)、バクテリアナノセルロース(BNC)に関する、国内・海外の最新ニュースを掲載しています。こちらは 2020 年 2 月に報道されたニュースを、新しいものから順に掲載しています。

ナノセルロース複合材料をカーボンブラック大手がタイヤ向けに(2020年2月22日)

カーボンブラックの世界的なリーディングカンパニーである Birla Carbon(インド)は 2 月 20 日のプレスリリースで、GranBio Technologies(米国)と共同で、ナノセルロースを分散させたタイヤ・ゴム製品向けの複合材料、NDCTMゴムマスターバッチを開発したと発表しました。

これは両社の共同研究によるもので、ナノセルロースをゴムに配合することで物理的性能を改善するとともに、サステナブルな材料の含有量を増やします。またタイヤに組み込んだ場合、タイヤの転がり抵抗と車両の燃費を改善できるとのことです。

詳しくはBirla Carbon のプレスリリースをご覧ください。

大王製紙の CNF 成形体が卓球ラケットに採用へ(2020年2月21日)

株式会社タマスが 2020 年 4 月に発売予定の高性能卓球ラケット「レボルディア CNF」の部材として、大王製紙の セルロースナノファイバー(CNF)成形体 ELLEX – M が採用されたと発表しました。

ELLEX – M は、CNF とパルプ繊維を複合化した CNF 高配合のシート状成形体で、汎用プラスチック材料の約 5 倍の引張特性を示します。従来のラケットに比べ、高反発でありながら振動特性を低く抑えられるとのことです。

詳細は大王製紙のプレスリリースをご参照ください。

Performance BioFilaments社によるCNFとCFの商業生産(2020.2.10)

カナダのナノセルロース製造業者である Performance BioFilaments 社は、ケベック州・ケノガミの Resolute Forest Products 社の製紙工場で、2021 年に、セルロースナノファイバー(CNF)とセルロースフィラメント(CF)の商業生産を開始することを発表しました。規模は日産 21 t です。

なおケノガミ工場は特殊紙を生産している従業員 200 人の工場です。なお Resolute Forest Products 社は Performance BioFilaments社 の株主です。

詳細はプレスリリースとウェブサイトをご覧ください。

王子HDのセルロースナノファイバーシートが卓球ラケットに採用(2020年2月6日)

王子ホールディングス の セルロースナノファイバー(CNF) シートは、高強度、高透明性に加え、熱寸法安定性、フレキシブル性を併せ持ち、機械特性や表面性などのカスタマイズが可能です。

このほど、卓球ラケットのベース素材である木材と、CNF シートを複合化することで、反発力と弾力を共存させた CNF シートのスペック最適化に成功し、株式会社ダーカーの卓球ラケット用素材に採用されました。この卓球ラケットは 2020 年 4 月以降に店頭販売される予定です。

詳細は王子HDのニュースリリースをご参照ください。

東芝、CNF をコーティングした振動板を4K液晶テレビに採用(2020年2月5日)

東芝映像システムソリューション株式会社は、振動板にセルロースナノファイバー(CNF)をコーティングした高性能ダブルウーファーを採用した 4K 液晶テレビレグザ Z740X シリーズ を 2020 年 2 月 21 日から発売することを発表しました。

詳細はニュースリリース ならびに商品紹介をご覧ください。

綿の CNF を利用した石鹸用スクラブ剤をあいち産科技Cが開発(2020年2月4日)

あいち産業科学技術総合センターでは、日清紡テキスタイル、吉田機械興業と共同で、衣類素材から綿を原料とするセルロースナノファイバー(CoNF)を開発し、スクラブ剤用粒子に応用しました。さらに中央加工機、白井石鹸の協力で、衣料用生地由来のCoNF粒子のスクラブ剤入り石鹸を試作しました。

今後、試作品の石鹸やスクラブ剤は、天間特種製紙、東亜合成の協力を受け、2021 年度には販売を開始するとのことです。

詳細はプレスリリースをご覧ください。