ナノセルロース、セルロースナノファイバー(CNF)、セルロースナノクリスタル(CNC)、バクテリアナノセルロース(BNC)に関する、国内・海外の最新ニュースを掲載しています。こちらは 2026 年 1 月以降に報道されたニュースを、日付が新しいものから順に掲載しています。新しい情報は、適宜追加しています。
中国 Green Micro-Nano イオン液体を使ってナノセルロース代替品を製造(2026 年 1 月 26 日)
中国のテクノロジー評論会社 36Kr は、1 月 23 日に、高付加価値セルロース応用プラットフォーム Green Micro-Nano が先日、数千万元規模の資金調達を完了したと発表したことを報じました。
Green Micro-Nano は中国科学院化学研究所のコア技術を使って 2022 年 10 月に設立されました。
これは、イオン液体を用いた新たなグリーン加工技術ルートを通じて、3Dセルロースゲル(CMG)、マイクロスフィア/マイクロカプセルなど、セルロースの物理的形態と化学的機能を再構築するものです。
これはセルロースナノクリスタル(CNC)やセルロースナノファイバー(CNF)とは異なり、全く新しいカテゴリーの材料です。そのスケールはナノスケールではなく、ミクロン単位(20~40μm)ですが、従来のナノセルロースの優れた特性のほとんどを備えています。
現在、Green Micro-Nano では、紙製品、日用化学品・パーソナルケア、工業用添加剤、ライフサイエンスの 4 つの主要事業分野に注力しています。
従来のナノセルロースの製造は、木材や竹などの原料を機械的、化学的、あるいは生物学的な方法で分解し、ナノスケールの極小材料を製造するという単純なものでした。このプロセス全体は、エネルギー消費量が多く、化学試薬の消費量が多く、収率が低いという問題があり、処理中に多くの副産物が生成され、廃棄物や汚染を引き起こしやすいという問題がありました。
これに対し Green Micro-Nano ではイオン液体のボトムアップ技術ルートに基づくマイクロナノセルロースの収率は 100 %に近く、原材料の無駄がほとんどありません。生産プロセスはほぼゼロの排出を実現でき、原則としてセルロースとエネルギーのみが消費されるため、グリーンで持続可能な開発の要件を満たしています。高い収率と低いエネルギー消費により、コストをさらに大幅に削減できます。
詳細は36Krの記事をご覧ください。
インドネシアの大学、海ぶどうのナノセルロースを天然保湿剤に(2026 年 1 月 23 日)
インドネシアの Hasanuddin University(ハサヌディン大学)は、緑藻類の一種である Caulerpa racemosa 由来のナノセルロースが、天然保湿剤として有望であるという研究結果を、プレスリリース配信サイト PR Newswire から本日発表しました。
Indah Raya 教授の研究チームは、インドネシア・南スラウェシ州の養殖地で、新鮮で清潔、かつ汚染物質を含まない Caulerpa racemosa を採取してナノセルロースを抽出し、その構造、粒子サイズ、そして水分保持挙動を調べました。
その結果、このナノセルロースには典型的な官能基が存在し、水分子を効率的に結合する能力があることがわかりました。ナノスケール構造により、肌表面への浸透性が向上し、均一に分布します。
現在市販されている従来の保湿剤と比較して、このナノセルロースは水分子と容易に結合し、より長時間保持することができます。合成保湿剤に比べて、より安全な代替品となり、刺激リスクが低く、肌への適合性も優れていると考えられます。
このナノセルロースは、保湿剤、フェイスマスク、ボディローション、アンチエイジング製品など、様々な処方の開発に使用できます。重要なのは、生分解性、再生可能、そして環境に優しいという点です。また、 Caulerpa racemosa の使用は、ブルーエコノミーの概念を支え、インドネシアの海洋資源の持続可能な利用を促進します。
詳細は PR Newswire の記事をご覧ください。
ナノセルロース・ドットコム コメント
「そりゃそうでしょうね」という内容です。何から作ろうと、ほぼ同じような結果になるでしょう・・・
Caulerpa racemosa は海ぶどうの一種で、インドネシアには豊富に存在し(天然か養殖かは不明)、食用にされているそうです。
ちなみに沖縄の海ぶどうは、Caulerpa lentillifera(和名:クビレズタ)で、近縁種です。
イランで西アジア初のナノセルロース創傷被覆材を実用化(2026 年 1 月 13 日)
イラン・イスラム共和国初のスマートナノセルロース創傷被覆材の発表は、国家的な偉業であるだけでなく、西アジアの医療技術における先駆的な瞬間であり、イランはインタラクティブな生体材料ベースの治癒ソリューションへの世界的な転換の最前線に立つことになります。
1 月 5 日にイランのニュースメディア PRESS TV にアップされた記事には、イランで開発されたナノセルロースを用いた創傷被覆材について解説されています。
この創傷被覆材は国家によるナノテクノロジーへの継続的な投資から生まれたもので、、受動的な被覆材としてではなく、治癒プロセスにおいて能動的かつ反応的な役割を果たします。
糖尿病性潰瘍から重度の火傷まで、最も根深い臨床課題のいくつかに対処するために設計されており、標的を絞った薬剤送達、正確な水分調節、および本質的な抗菌保護を可能にします。
イランは 20 年近くにわたり、ナノサイエンスを戦略的優先事項と位置付け、研究・イノベーションのエコシステムを体系的に育成してきました。
Nano Zist Polymer Pars, Hoda Sanat, Teba Biopolymer, Noavaran Salamat Gino などの企業は、こうしたイノベーションの主要な推進役として機能しており、多くの場合、大学の研究室から生まれ、Sonova や Shezan などのテクノロジー パークや専門アクセラレータが提供する組織的サポートの恩恵を受けているとのことです。
詳細は PRESS TV の記事をご覧ください(実物の写真もあります)。