ナノセルロース、セルロースナノファイバー(CNF)、セルロースナノクリスタル(CNC)、バクテリアナノセルロース(BNC)に関する、国内・海外の最新ニュースを掲載しています。こちらは 2025 年 9 月以降に報道されたニュースを、日付が新しいものから順に掲載しています。新しい情報は、適宜追加しています。
岡山大、CNF を土壌に混ぜることで渇水時の農業生産をサポート(2025 年 9 月 8 日)
岡山大学は、セルロースナノファイバー(CNF)を土壌に対して 1 %混ぜることにより、灌漑水が 50 %に減っても、100 %灌漑と同等の植物生長が期待されることから、将来の水不足に備えられるという内容を、9 月 7 日にプレスリリースで発表しました。
気候変動のもとで、渇水が予想されている地域が世界中にあります。東南アジアの一部地域でも灌漑水の不足が予想されており、世界の食糧生産基地としては大変な打撃になります。
CNF は保水性に優れ、植物が利用可能な領域の水分を多量に貯留し、植物の発芽と成長を助けることがわかりました。CNF
土壌に対して 1 %の CNF を施用することで、発芽率を改善し、植物が利用可能な水量が増加するとともに、灌漑水が 50 %に減少しても 100 %灌漑と同等の植物生長を促せることが分かったとのことです。
詳細は岡山大学のプレスリリースをご覧ください。
ナノセルロース・ドットコムコメント
ありえない話です。土壌に対して CNF を 1 % 混ぜるというのが、重量比 1 %なのか、体積比 1 %なのか分かりませんが、仮に(混ぜる量が少ない)体積比として、例えば 1 haの耕作地に、深さ 20 cmで施用するためには、100 × 100 × 0.2 × 0.01 = 20 m3 の CNF が必要です。CNF の比重は 1.5 g/cm3 (= 1.5 t/m3 )なので、これは 30 t になります。現在、最も安いと思われる中国産の CNF でも、800 円/kg (輸送コストを除く)なので、1 haの耕作地に必要な CNF の金額は 2,400 万円となります。しかも、CNF には生分解性があるので、繰り返し施用しないと、この機能は保たれません。さらに、CNF を製造するためには、大量のエネルギーを消費することも忘れてはいけません。
岡山大学のプレスリリースでは、この研究を自画自賛していますが、このような経済性や環境性を無視した研究を、科研費(=税金)を使って留学生が行っていることについて、疑問を感じます。
ありえない話です。土壌に対して CNF を 1 % 混ぜるというのが、重量比 1 %なのか、体積比 1 %なのか分かりませんが、仮に(混ぜる量が少ない)体積比として、例えば 1 haの耕作地に、深さ 20 cmで施用するためには、100 × 100 × 0.2 × 0.01 = 20 m3 の CNF が必要です。CNF の比重は 1.5 g/cm3 (= 1.5 t/m3 )なので、これは 30 t になります。現在、最も安いと思われる中国産の CNF でも、800 円/kg (輸送コストを除く)なので、1 haの耕作地に必要な CNF の金額は 2,400 万円となります。しかも、CNF には生分解性があるので、繰り返し施用しないと、この機能は保たれません。さらに、CNF を製造するためには、大量のエネルギーを消費することも忘れてはいけません。
岡山大学のプレスリリースでは、この研究を自画自賛していますが、このような経済性や環境性を無視した研究を、科研費(=税金)を使って留学生が行っていることについて、疑問を感じます。