パナソニックのセルロースファイバー強化樹脂に関する最新情報

2020.7.30 

パナソニックでは、環境省の委託事業で開発した技術をもとに、セルロースファイバー強化樹脂の実用化を進めています。この樹脂を2018年に発売したコードレス掃除機に採用したのを皮切りに、2019年にはセルロースファイバーの添加率を最大55%にした素材を開発し、アサヒビールとともに、タンブラー(カップ)としての試験販売を行っています。今週、この樹脂に関して、いくつかの報道がありました。

(1) 水を使わず、セルロースファイバー強化樹脂を製造
アイティメディア株式会社が運営する情報サイト MONOist に7月22日に掲載された記事によると、パナソニックが7月21日に開催したオンラインセミナーで、同社のセルロースファイバーの成形技術について発表した内容が紹介されています。それによると、パナソニックが開発したプロセスでは、原料となるパルプを事前粉砕して綿状のパルプを作り、そこへ樹脂と添加剤を加えて、解繊・変性・分散を一工程で行います。通常、セルロースを樹脂に混ぜるためにはパルプに水を加えて解繊した後、脱水・乾燥してから樹脂に分散させますが、同社が開発した方法は水を使わないため、乾燥に要するエネルギーが不要となり、樹脂の製造の際のCO2排出量が、セルロース1kgあたり、1.8kg削減されたとのことです。詳しくはMONOistのページをご覧ください。

(2) セルロースファイバーの形状と強化のメカニズム
7月30日付日経XTECHの記事によると、パナソニックが開発したセルロースファイバー強化樹脂に使われるセルロースファイバーの形状は、繊維の中心部の径が5~30μm、繊維の両端部がほぐれていて、径が100nm~2μmになっているとのことです。通常のセルロース繊維の径が20~50μmなのでそれよりは細く、また両端がほぐれて、セルロースマイクロファイバーになっています。

繊維の中心部は、ポリプロピレン(PP)などの母材プラスチックに入った亀裂の拡大を阻止し、両端の解繊された部分は、母材からセルロースファイバーが剥離するのを防ぐ役割を担うとのことです。一般に繊維強化プラスチックは、繊維の両端部分が母材から剥離して欠陥が生じやすく、複数の欠陥が相互につながることで破壊に至りますが、この強化樹脂ではこの欠陥が生じにくくなっています。

詳しくは、日経XTECHの記事をご覧ください。

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