樹脂・ゴムに混ぜるためのセルロースナノファイバー

目次

リグノセルロースナノファイバー

商品名:セルフィム TM

製造者名:モリマシナリー株式会社

原料 木材チップ(ヒノキチップ)
製造方法 チップを二軸スクリュー解繊装置で機械解繊して作ります。
形状・性状 繊維幅50~300nm、固形分濃度5%、比表面積90m2/g

商品名:フィブリマTM

製造者名:増幸産業株式会社

原料 針葉樹由来の木粉
製造方法 原料を同社の石臼式粉砕機「スーパーマスコロイダー」で解繊して作ります。原料と水以外、使用しません。
形状・性状 処理条件を変えることで、製品の解繊度を変えることができ、繊維幅数nm~数百 nm、繊維長数 nm~数μmの範囲で選択が可能です。リグニンとヘミセルロースが残存しています。
種類 木粉由来 固形分濃度5%

非水系セルロースナノファイバー

商品名:セナフ TM

製造者名:株式会社服部商店 淀工場

原料 パルプ
製造方法 パルプを疎水化したのち、有機媒体を加えて機械解繊して製造します。有機媒体には、可塑剤、樹脂・反応性希釈剤、オイル(鉱油、合成油、シリコーン油等)、高沸点溶剤があり、それぞれニーズに合わせて使い分けることができます。なお、標準サンプルでは、可塑剤としてDINP(フタル酸ジイソノニル)、樹脂・反応性希釈剤としてキシレン樹脂、スチレン化フェノール類、オイルとしてプロセスオイルを使用しています。
形状・性状 解繊度は任意で設定でき、それにより繊維径が異なります。解繊後は液状~ペースト状となります。またパルプ添加量は、最大で10wt%です。

アルコール分散セルロースナノファイバー

商品名:セルフィム TM

製造者名:モリマシナリー株式会社

原料 非公表
製造方法 非公表
形状・性状 プロピレングリコールモノメチルエーテルに分散しており、キシレン、トルエンには優れた分散性を示し、また酢酸エチルにも分散します。

疎水性セルロースナノファイバー

一般名:アセチル化CNF、シナミル化CNF、ベンゾイル化CNF)

製造者名:株式会社KRI

内容 セルロース繊維に修飾化剤と触媒を加えてさまざまな官能基を導入したのち、機械解繊を行うと、枝状や網状の構造が少なく、アスペクト比が大きく、結晶化度が高いセルロースナノファイバーが得られます。修飾官能基の選択により、有機溶媒、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂への分散が可能となり、フィルムを作成することも可能になります。

一般名:セルロースナノファイバー有機溶剤分散液

製造者名:GSアライアンス株式会社

原料 非公表
製造方法 非公表
形状 繊維径20~50nm
種類 有機溶剤分散※、CNF濃度0.5~8%、添加物濃度0.01~0.5%
※アルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ケトン、酢酸ブチル、NMP
(N-メチル-2-ピロリドン)

一般名:フルオレンセルロースナノファイバー

製造者名:大阪ガス株式会社

製造方法 セルロースナノファイバーの表面をフルオレンで修飾することで作ります。
形状・性状 ドライ粉末として供給できます。乾燥しても凝集せず、樹脂や有機溶媒に高い分散性を示します。
内容 ドライ粉末として供給できるだけでなく、アルコール、エーテルなどの有機溶剤に分散させることができるため、コーティング用途向けの溶媒分散品として、ポリ乳酸(PLA)やポリアミド(PA)などの樹脂と容易に混合できるため、コンパウンド用途向けのマスターバッチとしてもサンプル供給が可能です。

疎水化処理CNF乾燥粉体

商品名:セルフィムTM-P

製造者名:モリマシナリー株式会社

原料 木材チップ(ヒノキチップ)
製造方法 木材チップを原料として二軸スクリュー解繊装置で機械解繊によりセルロースナノファイバー(CNF)を作ります。パルプとは違って木材チップにはリグニンが含まれているため、このCNFはリグノセルロースナノファイバーです。水を含んだ状態で疎水化処理し、乾燥粉体化したものが、疎水化処理CNF乾燥粉体です。これを二軸押し出し機やニーダーで樹脂と混錬すれば、再分散します。
形状・性状 数十から数百μmの凝集体。

粉末状セルロースナノファイバー

商品名:CNFパウダー

製造者名:王子ホールディングス株式会社

原料 木材パルプ
製造方法 独自技術によってリン酸エステル化CNFの水分量を低減し、固形分を最大90wt%にまで高めました。
内容 炭化水素系(例、トルエン)、アルコール系(例、イソプロパノール)、ケトン系(例、メチルエチルケトン)、グリコール系有機溶剤(例、エチレングリコールモノ‐ノルマル‐ブチルエーテル)、非プロトン系極性溶剤(例、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチル-2-ピロリドン)に分散させることができます。

商品名:nanoforest TM– PDP

製造者名:中越パルプ工業株式会社

原料 竹パルプ、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ
製造方法 パルプから水中対抗衝突法で製造したセルロースナノファイバーに分散剤を加え、脱水して粉末状にしたもので、化学修飾をしていません。
種類 nanoforest – PDP-01  水分1.0%以下、粒径(D90)2~3mm、嵩比重250~300g/l
nanoforest – PDP-11  水分1.5%以下、粒径(D90)2.5~3mm、嵩比重250~300g/l、開発品

BiNFi-s TMドライパウダー

製造者名:株式会社スギノマシン

原料 セルロース
製造方法 原料を水分散体を最高245MPaまで加圧して、チャンバー内で水分散体どうしを斜向衝突させることで、セルロース繊維をほぐして、ナノ化します。乾燥方法については、情報公開されていません。
形状・性状 二軸混錬機を用いた、熱可塑性樹脂と混錬・複合化することができ、CNFが樹脂中に均一分散した複合体が得られます。
種類 極短繊維 BiNFi-sドライパウダー(品番FMa-UNDP)
標準繊維 BiNFi-sドライパウダー(品番WFo-UNDP)

商品名:ELLEX-P

製造者名:大王製紙株式会社

原料 広葉樹化学パルプ、針葉樹化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ
製造方法 非公開
内容 樹脂やゴムに複合化するため、水分量を少なくしたセルロースナノファイバーです。

疎水変性CNF配合樹脂

商品名:STARCEL TM シリーズ

製造者名:星光PMC株式会社

原料 木材パルプ
製造方法 木材パルプの表面に疎水変性剤を結合させ、変性セルロースを作ります。樹脂に変性セルロースを混ぜて溶融混錬するとともに、変性セルロースをナノ解繊し、マスターバッチを作ります。このプロセスは京都大学生存圏研究所を中心とするグループが開発した「京都プロセス」です。
種類 変性セルロース配合量50%のポリプロピレン(名称:T-NC611H)
変性セルロース配合量20%のポリプロピレン(名称:NC611L)
変性セルロース配合量50%のポリエチレン(名称:T-NC228)
変性セルロース配合量40%のポリエチレン(名称:T-NC216)

商品名:商品名:LUNAFLEX(ルナフレックス)シリーズ

製造者名:花王株式会社

原料 非公表
製造方法 量子化学計算による構造予測に基づいた、「デュアルクラフトシステム」と呼ばれるCNF表面設計技法により、濡れ性と立体反発の観点で選定した2種類の修飾基をCNFの表面に結合させることで、少ない修飾基重量でCNFを疎水表面へと改質している。例えば、立体反発・疎水性付与には、長鎖のポリアルキレングリコール(PAG)基、濡れ性付与には短鎖の芳香族基が使われる。この方法でさまざまな樹脂に対してCNFを均一ナノ分散することによって、高機能複合樹脂を製造する。
種類 さまざまな樹脂への適用が可能。ブレスリリースで例として紹介されているのは、次の3種類。
光硬化性樹脂(アクリル樹脂)
熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)
熱可塑性樹脂(フェノキシ樹脂)

CNF/樹脂複合体

一般名:CNF/PP複合材料

製造者名:株式会社吉川国工業所

原料 CNF(星光PMC株式会社製)
内容 セルロースナノファイバー(CNF)とポリプロピレン(PP)のマスターバッチを製造し、それをPPで希釈することで、CNF含有率5%と10%のCNF複合材を製造しています。

商品名:セルロスター TM

製造者名:スターライト工業株式会社

製造方法 セルロースナノファイバーに分散剤を加えて、さまざまな樹脂に分散させます。ドライブレンドを「滋賀プロセス」、ウエットブレンドを「びわ湖プロセス」と呼んでおり、いずれも特許を出願中です。
内容 セルロースナノファイバーと樹脂の複合体を製造するにあたり、セルロースナノファイバー、分散剤、水系樹脂をカスタマイズして供給します。

商品名:nanoforest TM-MB

製造者名:中越パルプ工業株式会社

原料 竹パルプ、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ
製造方法 パルプを水中対抗衝突法でナノ化し、分散剤を加えてパウダー化します。これをポリプロピレンに高配合し、ペレット状にしたものです。
種類 スタンダードグレード
衝撃対策グレード

一般名:CNF複合樹脂 ELLEX-R55

製造者名:大王製紙株式会社

製造方法 セルロース繊維を部分的にCNF化したCNF複合樹脂。セルロース濃度は55%。

一般名:CNFポリ乳酸複合体

製造者名:株式会社KRI

原料・製造方法 アシル化CNFをポリ乳酸に分散させます。例えば、ポリ乳酸/CNF=75/25wt。

一般名:CNF・PMMA複合体

製造者名:株式会社KRI

原料・製造方法 アシル化修飾CNFを5%の割合でPMMA(ポリメタクリル酸)に分散させます。
内容 軟化温度を30℃以上上昇させるだけでなく、高い透明性を維持することができます。

一般名:CNF・エポキシ樹脂複合体

製造者名:株式会社KRI

原料・製造方法 アシル化修飾CNFをエポキシ樹脂に分散させます。例えばエポキシ樹脂/CNF=70/30wt。

一般名:石油系樹脂・セルロースナノファイバー複合体ペレット(マスターバッチ)

製造者名:GSアライアンス株式会社

種類 CNF混合低密度ポリエチレン(LDPE)マスターバッチ CNF濃度22%, 33%
CNF混合直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)マスターバッチ CNF濃度20%
CNF混合ポリプロピレン(PP)マスターバッチ CNF濃度23%, 33%, 40%
CNF混合ポリスチレン(PS)マスターバッチ CNF濃度23%
CNF混合ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)マスターバッチ CNF濃度23%
CNF混合ポリアミド6(PA6)マスターバッチ CNF濃度13%
CNF混合ポリ塩化ビニル(PVC)マスターバッチ CNF濃度23%
CNF混合ABSマスターバッチ CNF濃度23%
CNF混合ポリカーボネート(PC)マスターバッチ CNF濃度23%
CNF混合ポリビニルブチラール(PVB)マスターバッチ CNF濃度23%
CNF混合(熱可塑性ポリウレタンTPU)マスターバッチ CNF濃度30%
CNF混合ポリアセタール(POM)マスターバッチ CNF濃度23%
CNF混合エチレンαオレフィンマスターバッチ CNF濃度33%
CNF混合エチレン酢酸ビニル(EVA)マスターバッチ CNF濃度30%

一般名:生分解性プラスチック・セルロースナノファイバー複合体ペレット(マスターバッチ)、商品名:Nano Sakura

製造者名:GSアライアンス株式会社

内容 生分解性プラスチックとCNFを複合化することで、PBS の引張強度、弾性率などの機械的強度が向上しました。生分解性、発泡性、結晶性の向上については現在検討中です(2020年3月時点)。
種類 CNF複合ポリブチレンサクシネート(PBS)マスターバッチ CNF濃度26%、グリーンプラ、バイオマスプラとして認定
CNF複合ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)マスターバッチ CNF濃度23%グリーンプラとして認定

一般名:生分解性プラスチック・セルロースナノファイバー複合体ペレット(マスターバッチ)

製造者名:GSアライアンス株式会社

種類 CNF複合ポリカプロラクトン(PLC)マスターバッチ CNF濃度23%
CNF複合デンプン系樹脂マスターバッチ CNF濃度23%
CNF複合デンプン+ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)系樹脂マスターバッチ CNF濃度25%
CNF複合デンプン+ポリ乳酸(PLA)系樹脂マスターバッチ CNF濃度23%
CNF複合ポリブチレンサクシネート(PBS)マスターバッチ CNF濃度26%
CNF複合ポリ乳酸(PLA)マスターバッチ CNF濃度23%
CNF複合ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)マスターバッチ CNF濃度30%

一般名:CNF強化樹脂(開発品)

製造者名:日本製紙株式会社

原料 木材パルプ
製造方法 木材パルプを疎水化した疎水化パルプを解繊するのと同時に、樹脂に溶融混錬することで、CNF強化樹脂を作ります。なおこのプロセスは、星光PMC株式会社と同じ京都大学生存圏研究所を中心とするグループが開発した「京都プロセス」です。
種類 CNF10%配合ナイロン ガラス繊維を20%加えたナイロンと同等の強度

CNF含有ウッドプラスチックコンポジット(WPC)

商品名:ウッドナノプラス TM

製造者名:トクラス株式会社

製造方法 WPCは、木粉とポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を複合化した機能性プラスチックです。この製品は、素材となる木粉に、CNFとフィブリル化をした木粉を加えて製造します。なおフィブリル化とは、マイクロサイズの木粉表面に、微細なミクロフィブリルを毛羽立たせることです。
形状 従来のWPCよりも耐衝撃性が約1.5倍に向上しています。