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ナノセルロースは、植物などに含まれるセルロース繊維を細かくほぐして、径が100nm以下にしたものです。植物はすべてセルロースを成分として含んでいるので、植物原料であれば、原則として、何からでも、ナノセルロースを作ることが可能です。「○○からセルロースナノファイバーを製造」というプレスリリースをたまに見かけますが、何の意味があるのか、よくわかりません。コストと効率を度外視すれば、植物原料なら何でも、ナノセルロースの原料になります。ナノセルロースの原料については、こちらに詳しい解説があります。
ところで、現時点でナノセルロースの原料で最も安価なのは、パルプです。パルプは木質チップからリグニンを除去して得られた、セルロースです。パルプの製造方法については、こちらをご覧ください。
パルプから作るとすると、性状が均一で安価なパルプを継続的に調達できることが、工業化の前提条件となります。したがって、すでにパルプを製造・消費している製紙会社は、ナノセルロース製造の工業化において、一歩リードしていると言えるでしょう。

セルロースナノファイバー(CNF)は、セルロース繊維をほぐしながら細かくすることで、作ります。この工程を解繊と言います。解繊にはさまざまな方法があり、解繊の方法、使用する機器、解繊の条件によって、作られたセルロースナノファイバーの性状は、全く異なったものになります。解繊の方法、使用する機器については、こちらで詳しく解説しています。
また解繊する際、TEMPO触媒という化学薬品で酸化処理することで、解繊の度合いを高めることができます。TEMPO触媒酸化についての詳しい説明は、こちらからご覧ください。

これに対して、セルロースナノクリスタル(CNC)は、セルロース繊維を酸で加水分解することによってつくります。酸加水分解についての詳しい説明はこちら。(→セルロースナノクリスタルの製造方法、性状の違いは比較的少ない)セルロースには、結晶化している部分(結晶領域)と、結晶化していない部分(非晶領域またはアモルファス領域)がありますが、主に非晶領域が酸による加水分解を受けて、セルロース繊維が切断されます。セルロース全体に対して、結晶領域の比率を結晶化度と言いますが、製造方法の違いにより、セルロースナノクリスタルはセルロースナノファイバーに比べて、結晶化度が高くなります。結晶構造と結晶化度についての説明は、こちらから。

植物などに含まれるセルロース繊維からナノセルロースを作る場合は、植物からセルロース繊維を取り出し、さらにそれを細かくするという作業を行います。一方で、微生物を使ってグルコースからナノセルロースを生合成する方法もあります。この方法で作られるナノセルロースは、バクテリアナノセルロース(BNC)またはバクテリアセルロースといわれます。バクテリアナノセルロースについての詳しい説明はこちらから、またバクテリアナノセルロースの製造方法についての説明はこちらから、それぞれご覧ください。

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