セルロースナノファイバー(CNF)を使うにあたって、価格は最も気になるところです。
CNFといってもいろいろあるのですが、だいたい乾燥重量1kgあたり1~5万円です。
汎用プラスチックが1kgあたり200~300円、高性能エンジニアリングプラスチックでも1kgあたり3,000~5,000円などで、とんでもない高価格です。しかもほとんど場合、水分がたっぷり入った状態です。
常識的に考えれば、これでは素材として使えるはずがありません。ただメーカーはこのように言います。いまはパイロットスケールで作っていますが、将来、コマーシャルレベルで生産するようになれば、価格は500~1,000円くらいまで下がりますよ。
本当に今後価格は下がるのでしょうか。
セルロースナノファイバーの価格見通しは国の調査で決まった
将来、セルロースナノファイバーの価格が下がる、という話をするときに引用されることが多いのが、経済産業省が2013年度に実施した調査の報告書「平成25年度製造基盤技術実態等調査(製紙産業の将来展望と課題に関する調査)報告書」です。
これによると、セルロースナノファイバーの製造コストは、報告書が作られた2013年当時、乾燥重量1kgあたり4,000~10,000円ですが、2020年には1,000円程度、2030年には500円程度まで下がると記載されています。
この数値は販売価格ではなく、製造コストです。いま2021年ですが、2013年当時から製造技術が格段に進歩したわけではなく、また大型の生産設備が登場したわけでもないので、製造コストが1,000円まで下がった形跡は全くありません。
ただ、2030年に1kgあたりの生産コストが500円というのは、「絵にかいた餅」というわけではありません。いろいろと条件が揃えば、そのくらいまで製造コストを下げることは可能です。ただし、日本国内では無理だと思います。
この調査でこのような数字が決まった詳しい経緯はわかりませんが、報告書には算出根拠などは書かれていません。そもそもCNFといっても、いろいろな種類があります。
径が揃ったTEMPO酸化CNFと機械解繊で作った径がバラバラのCNFの製造コストが同じであるはずがありません。この報告書は「将来展望」について書かれたものなので、あてにしないほうがよいと思います。
セルロースナノファイバーの価格は将来いくらまで下がるのか
これを考えるためには、セルロースナノファイバーの製造コストを構成要素をひとつひとつ検証していく必要があります。日本で製造する場合について考えてみましょう。
(1) 原料費
植物由来のCNFはセルロースを含む原料であれば基本的に何からでも製造できますが、資源量、価格、品質、供給安定性の点から、輸入針葉樹化学パルプが候補となります。2019年7月時点の価格は1kgあたり73円です。
(2) 設備費(減価償却費・メンテナンス費)
CNFを製造するための設備を導入しそれを減価償却するとともに、設備をメンテナンスするための費用です。これは製造するナノセルロースの種類、製法、規模によって全く異なります。
(3) ユーティリティー費
製造に要する電力、ガス、蒸気、水などの費用です。これも製造するCNFの種類、製法、規模と立地条件によって異なります。
(4) 薬剤費
化学修飾する場合は、化学薬品や触媒が必要になります。またCNFではありませんが、ナノセルロースの一つであるセルロースナノクリスタル(CNC)を製造する場合は大量の酸が必要となります。これは製造方法によって大きく異なります。
(5) 労務費・固定費
労務費は設備を運転するために必要な人件費で、製造設備の立地と設備の自動化の程度により、金額が変わります。固定費は一般管理費、租税などです。
セルロースナノファイバー(CNF)、セルロースナノクリスタル(CNC)、セルロースフィラメント(CF)について、製造コストの構成要素を試算しました。
なお、計算にあたってはCamilla Abbati de Assis らが2017年に発表1) したデータを一部使用しています。なおこれは日産50t(乾燥重量)の設備を設置し、運転した場合の数値です。
ちなみに現時点で世界最大のナノセルロース生産設備の規模は日産1t(同)です。この表に示した金額は、最も安価なケースと考えてください。
CNF | CNC | CF | |
---|---|---|---|
(1)原料費 | 104円/kg 歩留まり70% |
182円/kg 歩留まり40% |
86円/kg 歩留まり85% |
(2)設備費 | 29円/kg | 149円/kg | 25円/kg |
(3) ユーティリティー費 | 30円/kg | 42円/kg | 30円/kg |
(4)薬剤費 | 9円/kg | ||
(5)労務費・固定費 | 23円/kg | 65円/kg | 23円/kg |
計 | 186円/kg | 447円/kg | 164円/kg |
まず原料費は規模には大きく影響を受けません。原料のうち最終生産物になる割合(歩留まり)が高いほど、原料費は安くなります。
次の設備費ですが、CNFとCFはリファイナーのみで解繊した場合、CNCは硫酸で酸加水分解し硫酸をリサイクルした場合の値で、いずれも現時点で最もコストが低い製造方法と考えられているものです。
この方法で製造したものはすべての用途に適した性状とは言えないので、実際にはもっと高くなると考えられます。さらに設備費は規模が小さくなれば割高になります。
化学プラントの設備費でよく使われる規模の0.6条則に当てはめると、例えば規模が1/50の場合、設備費は 500.6÷50=0.21倍で、単位生産量あたりの設備費は4.8倍に、規模が1/500の場合、設備費は5000.6÷500=0.083倍で、単位生産量あたりの設備費は12倍になります。
ユーティリティー費、薬剤費は、規模には大きく影響されません。労務費・固定費は規模が大きいほど安価になりますが、規模よりも他の条件の影響のほうが大きいと考えられます。
上記の項目の中で、最も不確定要素が大きいのは設備費です。メーカーの多くは製造プロセスを公開しておらず、具体的にどのような装置を使って生産しているのかわかりません。
当サイトの推測では、スケールアップに不向きなプロセスもあります。いずれにしろ、製造コストの下限は、乾燥重量1kgあたり200~1,000円程度であるのは間違いなさそうです。
乾燥工程などは含まれていないので、固形分濃度が2~5%程度の状態です。
これをそのまま売ることは難しいと思いますが、もし売れたとして、利益や運賃などを加味すると、1kgあたり400円くらいで販売できるかもしれません。しかし現在国内でのセルロースナノファイバーの需要は数トン程度しかないと考えられるので、この規模の設備ができる可能性は極めて低いと考えられます。
セルロースナノファイバーの製造方法とスケールアップの可能性
植物原料からセルロースナノファイバーを作る場合、何らかの形で物理的なエネルギーを加えて、セルロース繊維をほぐします。この工程を解繊といいます。
解繊にはさまざまな装置が使われており、装置の種類、処理条件によって得られるセルロースナノファイバーの性状に違いがあることが知られています。また装置によって、実験室での少量生産に向いているが、スケールアップが不可能なもの、大規模生産に向いているものなどもあります。
ここではセルロース繊維からセルロースナノファイバーを作るために使われる代表的な装置とスケールアップの可能性について説明します。
(1) ディスクリファイナー
表面に細かい溝が刻まれたリング状の刃物が内側と外側にセットされ、内側の刃物が毎分1,000回の速度で高速回転します。パルプ繊維の水懸濁液が外側と内側の刃物の隙間を通過する際、懸濁液に衝撃波が与えられ、セルロース繊維が解繊されます。
この方法はセルロース繊維に対してせん断力が与えられるわけではないので、繊維そのものの切断は少なく、長いセルロースナノファイバーが得られます。この装置は製紙工場でパルプを解繊するために一般的に使われるものですが、セルロースナノファイバーを作るためには、刃物の表面の溝のパターンを変えるとともに、固形分濃度3%の水懸濁液を複数回処理する必要があります。
大量生産に向いており、スケールアップも比較的容易です。現時点では、最も低コストでセルロースナノファイバーを作ることができる装置です。
(2) 高圧ホモジナイザー
セルロース繊維の水懸濁液を35~55MPaまで加圧し、ホモジナイザーに供給します、ホモジナイザーの内部にはオリフィスという細い隙間があり、水懸濁液がそこを通過する際、速度が急速に増し、圧力が急激に低下することで激しい乱流が発生し、セルロース繊維が解繊されます。
セルロースナノファイバーを作るためには、オリフィス径を0.4~0.6mmにして、固形分濃度4~7%の水懸濁液を1~80回、高圧ホモジナイザーに通す必要があります。
食品添加物として1990年から販売されているセルロースナノファイバーは、この装置を使って作られています。スケールアップは装置の台数を増やすことによって対応します。
(3) 二軸エクストルーダー(二軸押出成形機)
二本の回転するスクリューの間をセルロース繊維が送られていく間に、セルロース繊維に対して圧縮応力とせん断応力が同時に働くことで解繊する装置です。
スクリューピッチは入口側の送り込み部から出口側の圧縮部、膨張部へと進むにつれて間隔が狭くなっており、より細かく解繊されるよう設計されています。また摩擦と圧縮により、原料の温度は120℃まで上昇します。
圧縮部さらに応力がかかり解繊が進みますが、膨張部で圧力を一気に開放して爆砕を起こさせることで、最後に原料を内部から爆砕します。通常は、複数回処理する必要があります。
この装置では、原料の固形分濃度を40%と、他の装置に比べて高く設定できること、また粉砕だけでなく、混合、混錬、成形ができることから、セルロースナノファイバー・樹脂複合体の製造にも使われます。
スケールアップは装置の台数を増やすことで行います。
(4) 石臼式摩砕機
凹凸が付けられた上下2枚の砥石の間にセルロース繊維の水懸濁液を入れ、砥石を回転させることで、摩擦力によって解繊する装置です。セルロースナノファイバーの製造には通常の石臼ではなく、増幸産業株式会社が製造・販売するスーパーマスコロイダーが使われます。
通常の石臼の砥石は多孔質で多くの気孔(穴)がありますが、このスーパーマスコロイダーの砥石には気孔がないため、原料が砥石の内部に浸透しません。また2枚の砥石の間隔を調整することができます。
繊維径の小さいセルロースナノファイバーを製造するには、水懸濁液の固形分濃度を低くするとともに、複数回処理する必要があります。砥石の間隔、固形分濃度、処理回数を変えることで、目的とするセルロースナノファイバーを得ることができるため、この装置は世界中の大学・研究機関で使われています。
ただ大量生産に適しておらず、スケールアップや自動化は困難です。
(5) ビーズミル・ボールミル
セラミック、アルミナ、ジルコニアなどの硬い球体を入れた容器にセルロース繊維と水を入れ、容器を回転させることにより、セルロース繊維と球体が衝突することで解繊する装置です。球体のサイズが小さいものをビーズミル、大きなものをボールミルといいます。
容器内では原料に対して圧縮力、衝撃力、せん断応力、摩擦力、ずり応力などさまざまな力が働きます。ビーズミル、ボールミルとも、粉砕に使われるエネルギーは、撹拌機構によって生まれる遠心力が元になっており、ビーズやボールが持つエネルギーは重力加速度で表わされます。
ボールミルでは1G程度ですが、小型のビーズミルでは100~500Gにもなります。ただ条件にもよりますが、解繊には数時間から数十時間かかります。
実験室で少量のセルロースナノファイバーを製造するためによく使われますが、スケールアップはできないので、大量生産には使えません。
(6) ウォータージェット
セルロース繊維の水懸濁液を245MPaまで加圧したのち、直径0.1~1.0mmのノズル2本から噴射し、流路内で水懸濁液どうしを衝突させることで、セルロース繊維を解繊する装置です。
水懸濁液が高速で噴射される際のせん断力、原料どうしが高速で衝突することによる衝突力、キャビテーション気泡の破裂による衝撃力の3つの力で、セルロース繊維を解繊します。
キャビテーションとは、圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる現象で、泡ができるのと同時に液体が泡の中心に向かって移動し、泡が消滅する消滅する瞬間に中心で衝突して圧力波が発生します。
セルロース繊維の化学結合には、共有結合(β-1,4結合)と分子内水素結合がありますが、この方法は水素結合だけを選択的に切断できるので、セルロース繊維の結晶構造を損なわずに解繊が可能といわれています。
自動化もスケールアップも可能です。
セルロースナノファイバーの実用化と、海外との競争は?
日本のセルロースナノファイバーメーカーが目指している方向は、海外のメーカーとは全く異なります。日本のメーカーには3つの特徴があります。
シングルセルロースナノファイバーを製造する企業が多い
海外でセルロースナノファイバーを製造しているメーカーでは、機械解繊で作った繊維径が比較的太く、安価な製品を製造しているところが多いようです。
これに対して日本のメーカーは、セルロースミクロフィブリル1本1本がバラバラになった、いわゆるシングルセルロースナノファイバーあるいはi-CNFと呼ばれるものを製造している企業が多いように思います。例えば、
- TEMPO酸化CNF・・・日本製紙、第一工業製薬
- リン酸エステル化CNF・・・王子ホールディングス
- 亜リン酸エステル化CNF・・・大王製紙
- スルホン化CNF・・・丸住製紙
- ザンテート化CNF・・・レンゴー
- 次亜塩素酸ナトリウムを使用して製造したCNF・・・東亞合成
などが、シングルセルロースナノファイバーです。
シングルセルロースナノファイバーは性状がほぼ均一で、またCNFが持つ優れた特性を強く表します。その一方で、価格が高いというデメリットがあります。
いずれの製品もセルロースの官能基が化学修飾されているため、用途によってその適合性も異なります。このように日本のメーカーの多くは、付加価値が高く、価格の高いCNFの開発・生産に向かっているようです。
なお海外ではシングルセルロースナノファイバーといえば、TEMPO酸化セルロースナノファイバーしかありません。発明者が特許を出願した北米、欧州では商業生産されていませんが、特許を出願していない中国などでは、すでに生産・販売されています。
中国で生産されたTEMPO酸化CNFを日本へ輸出することはできませんが、中国国内で使用するのは自由ですし、中国でTEMPO酸化CNFを使った製品を作り、これを日本へ輸出することは可能です。いろいろな部材が中国で作られている中で、これは憂慮すべきことではないかと思います。
セルロースナノファイバーのみを供給している
ナノセルロースといわれるものには、さきほど紹介したシングルセルロースナノファイバーと、繊維径が太い一般的なセルロースナノファイバーのほかに、セルロースナノクリスタル(CNC)もあります。
セルロースナノクリスタルは、パルプなどを硫酸などで加水分解して作ります。世界で供給されるナノセルロースの3~4割はCNCと思われますが、国内のメーカーでCNCを製造・供給しているところはありません(大学ベンチャーは除く)。
日本で製造していない理由はメーカーに聞かないとわかりませんが、CNCの大規模生産が海外で先行していたこと、CNCは乾燥状態で保管・運搬が可能なこと、CNCの製造工程はほぼ決まっており、日本で製造しても他社製品との差別化ができないこと、などが理由と思われます。
日本でCNCを製造しても、海外から安価な製品が輸入されれば、勝ち目はありません。CNCを製造しないというメーカーの戦略は、正しいと思います。
一方、セルロースナノファイバーよりも繊維径が太い、セルロースフィラメント(CF)あるいはセルロースミクロフィブリル(CMF)というのもあります。こちらはいわゆるナノマテリアルの定義に当てはまりませんので、ナノセルロースには分類されません。
しかし繊維径が90µmであろうが、110µmであろうが、性状に大きな違いがあるはずもなく、目的によっては使えるはずです。しかし日本ではCNFに注目が集まっていたこともあり、これらのナノセルロースではないセルロース繊維を積極的に製造・販売しているところは、ほとんどありません。この点も海外との大きな違いです。
海外戦略が不透明
セルロースナノファイバーの原料である木材、パルプや、これから製造される紙は国際商品です。よって本来ならば、セルロースナノフアイバー(CNF)も国際商品になるはずです。実際、海外のメーカーはそのような視点に立って、事業化欄略を立てています。しかし残念ながら、日本のメーカーからはそのような声は聞こえてきません。
どこの原料を使って、どこで製造し、どこへ売るか。例えば、価格が安くて性状が安定した原料を使って、人件費やユーティリティ費の安い場所で製造し、市場が大きいところへ売る、というのが、製造業としてはあたりまえの戦略です。
国産材を使用し、人件費やエネルギーコストの高い日本で製造し、これから市場が縮小していくことが目に見えている日本で売って、勝ち目はあるのでしょうか。
これに対するメーカーの答えが、シングルセルロースナノファイバーなのかもしれません。要は、価格競争ではなく、技術で差別化して、高くても売れるものを目指すということです。しかし価格の高いシングルセルロースナノファイバーそのものに需要があるのかどうか、きわめて疑問です。
海外でセルロースナノファイバーを販売している企業は、すべてがそうとは言いませんが、品ぞろえが豊富です。シングルセルロースナノファイバー、ふつうのセルロースナノファイバー、セルロースフィラメント、セルロースナノクリスタルから、微生物が作ったバクテリアナノセルロースや、キチン、キトサンが原料のキチンナノファイバー、キトサンナノファイバーまで扱っています。
自社で作ったシングルセルロースナノファイバーしか売っていない日本のメーカーとの大きな違いです。また多くの海外のメーカーは、代金さえ払えば入手可能です。日本のメーカーのように、秘密保持契約だの、知財が発生した場合の権利だの、言われることはありません。すべてのメーカーがそうだとは言いませんが、海外企業の方がユーザーファーストと感じます。
なぜ日本のセルロースナノファイバーはガラパゴス化してるのか
セルロースナノファイバーという素材がガラパゴス化する懸念があると書かれていたのを見ましたが、それ以前に、日本におけるセルロースナノファイバーのガラパゴス化は深刻です。理由として考えられるのは、日本政府による手厚いサポートに企業が守られてきたことにあると思います。
日本のセルロースナノファイバーは、国内の紙の需要が右肩下がりになる中で、日本の製紙産業を今後どうしていくのか、というところからスタートしました。
そして農林水産省は、国内林業の振興、国産材の利用促進が図れるのではないかと考え、これに参画してきました。このような経緯から、日本のセルロースナノファイバーは、国産材を利用して、国内で生産する、という呪縛から抜けることができていないように思います。
また欧米のメーカーが日本市場に対して積極的に売り込みを図っているのに対し、日本のメーカーは海外に販売するということに、必ずしも積極的ではありません。
まとめ
- 機械解繊で製造するセルロースナノファイバーは、今後需要が増えれば、価格は下がる可能性があります。ただ安価な原料を使用し、労務費・ユーティリティ費の安い場所で生産し、輸送コストを下げることが同時に求められるため、国産のセルロースナノファイバーがそうなるとは思えません。
- 日本の各企業が独自技術で製造するセルロースナノファイバーは、ユーザーが費用対効果の点で使うメリットがあると考えれば普及するかもしれませんが、将来的に価格が下がる要素に乏しいと思われます。
- 国内のセルロースナノファイバー産業が海外勢と戦うのは非常に厳しいと思います。海外メーカーはユーザーが買いたいと思うものを安価に提供するためにはどうすべきか、という視点で戦略を立てています。メーカーが作りたいものを、メーカーが決めた価格で提供し、さらにその先の用途まで制限する、といったビジネススタイルでは、勝算はありません。
参考文献
1) Camilla Abbati de Assis et al., Biofuels, Bioproducts and Biorefining 12 (2), 251-264 (2017)