軽量

軽量は、ナノセルロースに限った特性ではない

ナノセルロースは軽量・高強度といわれますが、どのくらい軽量なのでしょうか。ナノセルロースの一種であるセルロースナノファイバーは通常、固形分濃度が1~2%の水分散体として供給されます。これは高等植物に含まれるセルロース繊維(径が20~50μm)を解きほぐして(これを「解繊」といいます)、径の細いナノセルロースを作りますが、機械的な方法で解繊するにしても、酸で加水分解して作るにしても、水を加えなければなりません。そのため製造直後のセルロースナノファイバーは、水分散体となっているのです。

仮に、水分散体に含まれる水を蒸発させて固体にしたとします。このときの密度は1.5g/cm3といわれており、これは一般構造用圧延鋼材(SS400)の密度7.85g/cm3の5分の1です。このことが「セルロースナノファイバーは鉄の1/5の軽さ」の根拠です。でも考えてみてください。セルロースナノファイバー100%の固体を、鋼鉄と同様の目的で使うことはありません。固体のセルロースナノファイバーを使用し、軽量であることがメリットとなるのは、①プラスチック・ゴムに添加して、強度アップとともに軽量化を図る場合と、②ナノセルロース単独または既存の透明材料と混ぜたフィルム、シートを作り、軽量化を図る場合です。鉄の1/5の軽さであることは事実ですが、鉄と比較することそのものに意味があるとは思えません。

セルロースナノファイバーの密度は1.5g/cm3ですが、その原料であるセルロースの密度も1.5g/cm3です。ですから、軽量化だけならナノ化したものは必要なく、従来から使われているセルロース繊維でも十分なのです。

セルロースを材料、あるいはフィラーとして使う場合は、従来用いられている材料やフィラーと比較する必要があります。ポリエチレン、ポリプロピレンが0.9g/cm3、ポリスチレンが1.0g/cm3、ポリアミドが1.1g/cm3、ポリカーボネートが1.2g/cm3程度です。一方フィラーとして用いられる繊維では、PAN系炭素繊維が1.8g/cm3、アラミド繊維が1.4g/cm3、ガラス繊維が2.5g/cm3程度です。

なお、さらに軽量な材料が必要な場合は、ナノセルロースをもとに作られるナノセルロースエアロゲルがあります、エアロゲルの密度は8~12mg/cm3とナノセルロースのわずか150分の1です。

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