木材チップ

パルプ化、植物原料からセルロースを取り出すプロセス

植物原料には、セルロース繊維のほかにヘミセルロースとリグニンが含まれていますので、ナノセルロースを作るにはまずこれらを除去して、セルロース繊維だけを取り出す必要があります。この工程をパルプ化といい、化学的な方法と、機械的な方法に分けることができます。

化学的な方法でもっともよく用いられるのがクラフト法で、木材チップに水酸化ナトリウム(NaOH)、硫化ナトリウム(NaS)などの薬品を加えて高温・高圧で煮ることで、セルロース繊維とヘミセルロース、リグニンを分離します。この工程を「蒸解」といいます。煮た後に固形分を回収して水でよく洗うと、セルロース繊維だけを取り出すことができます。この方法で製造されたセルロース繊維をクラフトパルプ(KP:Kraft pulp)といいます。現在国内で生産される木材パルプの90%以上がクラフトパルプです。クラフト法では、原料の木材チップに含まれるセルロース繊維の50%程度しか回収できませんが、純度の高いセルロースが得られます。

木材チップを煮た後の液体には、リグニン、ヘミセルロースの分解物、薬品が含まれており、色が黒いことから「黒液」と呼ばれます。黒液は液体ですが、濃縮すると燃やすことができます。製紙工場では濃縮した黒液を燃やして得られた熱で蒸気を作り、工場内で使用するほか、蒸気タービンを回して発電を行っています。さらに黒液の燃えカスには蒸解で使った薬品が含まれているので、これをリサイクルしています。ちなみに製紙工場からイオウの臭いがしますが、これは黒液を濃縮する際、硫化水素(H2S)が蒸発するためです。

一方、機械的な方法は、物理的な力で木材チップを破砕してセルロース繊維を取り出す方法で、いくつかの方法がありますが、機械的な方法で作られるパルプをまとめて機械パルプ(MP:Mechanical pulp)と呼んでいます。機械的な方法では、原料の木材チップに含まれるセルロース繊維の80%程度が回収できますが、繊維中にリグニンやヘミセルロースが大量に含まれることになります。

クラフトパルプと機械パルプのどちらが、セルロースナノファイバーの原料として適しているかは、製造するセルロースナノファイバーの性状によって異なります。ただほとんどのセルロースナノファイバーは、クラフトパルプから製造されているようです。

ナノセルロース・ドットコムロゴ

世界のトレンドから取り残されたくない!
コストも時間もかけたくない!
どこに相談したらよいのか分からない…