リファイナー

セルロースナノファイバーの形状、性状の違いは製造方法の違いから

セルロースナノファイバーは、高等植物から取り出したセルロース繊維を、物理的、化学的、生物的な方法で細かく分解するか、または微生物で糖から合成するか、いずれかの方法で作られます。微生物で合成したセルロースナノファイバーをバクテリアナノセルロースといいますが、これの製造方法は別の項で説明することとし、ここではセルロース繊維を分解して作る方法について説明します。

高等植物には主としてセルロース、ヘミセルロース、リグニンの3つの成分から構成されていますが、このうちセルロースは繊維として存在しています。セルロース繊維の径(太さ)は20~50μm(マイクロメートル、1μm = 1/1,000 mm)なので、ここからセルロースナノファイバーを得るためには、太い束として存在するセルロース繊維を細かくほぐして、繊維をバラバラにする必要があります。一方で長いセルロース繊維が短く切れてしまうことは避けなければなりません。なぜなら、セルロースナノファイバーがその特性を発揮するためには、長い繊維である必要があるからです。セルロース繊維を細かくほぐして繊維をバラバラにすることを「解繊」といいます。解繊方法は大きく分けると、物理的方法、化学的方法、生物的方法に分かれます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

①物理的方法
物理的な力を加えることでセルロース繊維を解繊する方法で、いわばセルロースナノファイバー製造方法の王道です。さまざまな機械が使われるため「機械解繊」とも呼ばれます。使われる機械を紹介しますと、 石臼式グラインダー、高圧ホモジナイザー、二軸式エクストルーダー、リファイナー、ビーズミル、ボールミル、ウォータージェット破砕機などがあります。機械の種類や処理条件によって、作られるセルロースナノファイバーの性状は異なります。

②化学的方法
セルロース繊維を酸で分解する方法と、セルロース繊維の表面を化学修飾することで、繊維どうしを離れやすくする方法があります。酸で分解すると、繊維が短くなってしまうため、セルロースナノファイバーを作るためには、機械解繊を主として行い、酸による処理を補助的に使います。セルロース繊維の表面の化学処理も、機械解繊と組合せて使われます。別の項で紹介するTEMPO触媒酸化は、セルロース繊維の表面に露出したC6位の一級水産基(-OH)がカルボキシ基(-COOH)に変換され、高密度で親水性のカルボキシ基のNa塩が生成することで、セルロース繊維どうしが水中で分散しやすくなり、物理的な力を少し加えるだけで、セルロースの単繊維が得られます。

③生物的方法
生物的方法はセルラーゼという酵素を使ってセルロース繊維の一部を分解する方法です。セルラーゼは作用メカニズムの異なる複数の酵素の混合物で、セルロース繊維を構成するさまざまな結合を分解します。生物的方法はあくまで機械解繊の効率を上げるために使われる方法です。機械解繊の前に使われる場合、機械解繊と同時に使われる場合、機械解繊の後に使われる場合など、いろいろな使い方がされていますが、酵素の値段が高いことと、反応速度が遅いことが欠点といわれています。

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