電気の通しにくさは電気抵抗率で示します。紙の電気抵抗率は104〜1010Ωmで、絶縁体として扱われます。ナノセルロースの絶縁性はその形態によります。シート、フィルム、成形体などの固体のナノセルロースは、紙と同様、電気は通しません。セルロースナノファイバーの固形物であるバルカナイズドファイバーは電気絶縁材料として利用されています。
われわれがよく目にするナノセルロースは水分散体です。水は水中のイオンによって電気を通すため、ナノセルロースの水分散体はわずかですが電気を通します。
なお、電気が流れるセルロースナノファイバーのシートが開発されていますが、これは表面に銀ナノワイヤーを塗布したものです。