セルロースの結晶構造、結晶領域、非晶領域と結晶化度

セルロースはα-グルコースがβ-1,4結合でつながった分子鎖が束になったものです。この束の太さに応じて、セルロース繊維(径が20~50μm)やナノセルロース(径が3~100nm)という名前がつけられています。これには、束がしっかりと固まっている場所と、束がややほぐれている場所があります。しっかりと固まっている場所を結晶領域、ややほぐれている場所を非晶領域(=アモルファス領域)といいます。またセルロースの結晶領域の割合を結晶化度といいます。結晶領域と非晶領域を比べると、結晶領域のほうが強度は高く、非晶領域のほうが分解されやすいので、結晶化度の高いセルロースほど、高強度といえるでしょう。ちなみに非晶領域を中心にセルロース繊維を酸加水分解して得られるのが、セルロースナノクリスタルです。

ところでセルロースの分子鎖に向きがあるのをご存じでしょうか。セルロースの分子鎖の片方の末端にあるC1位の水酸基は還元性を示し、もう片方の末端にあるC4位の水酸基は還元性を示しません。そのため前者を還元末端、非還元末端と呼びます。天然に存在するセルロースでは、隣り合う分子鎖どうしで分子鎖の向きが全て同じです。これをⅠ型セルロースといいます。これらの天然のセルロースをいったん溶解して、ふたたびセルロースにすると、隣り合う分子鎖どうしで分子鎖の向きが逆になったものが得られます。これをⅡ型セルロースといいます。Ⅱ型セルロースはⅠ型セルロースに比べて熱力学的に安定ですが、結晶化度が低く、結晶粒子の配列が乱れているため、吸水性が高いといわれています。またⅠ型は人工的に合成することができません。なおセルロースの構造はⅠα、Ⅰβ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅳなどに分けられます。植物から得られるセルロースはⅠβ型が主体、バクテリアセルロースではⅠα型が主体となります。

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