食品添加物

カルボキシメチルセルロース、ナノ化していないものは食品にも

カルボキシメチルセルロース(CMC)はセルロースに含まれる水酸基(-OH)の一部をエーテルに置換し、カルボキシメチル基(-O-CH2-COOH)を結合させたものです。極性のカルボキシ基(-COOH)のため化学的に反応しやすく、CMCは水に溶けます。水酸基がカルボキシメチル基に置換している程度と、セルロースの骨格構造の長さによって、CMCの性質が決まります。通常のCMCはセルロース繊維から作られるため、繊維の径は20μm以上で、ナノセルロースではありません。

ところでCMCはナトリウム塩またはカルシウム塩として販売されており、いずれも白色から黄色かがった白色の粉末です。毒性やアレルギー性はないといわれており、食品添加物として国内外で用いられています。日本ではカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)とカルボキシメチルセルロースカルシウム(CMC-Ca)が食品衛生法第10条に基づき、厚生労働大臣が使用してよいと定めた指定食品添加物となっており、食品に粘性や接着性を与えるための糊料(増粘安定剤)として使われています。1日あたりの摂取量の制限はありませんが、使用にあたっては食品の重量に対して2%以内と決められています(ただし、CMC-Na、 CMC-Ca、 デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム及びメチルセルロースの1種以上と併用する場合は、その使用量の和が2%以下)。アイスクリームやヨーグルトなどには増粘剤として、加工食品には接着して形が崩れないようにする安定剤(結着剤)として、飲料では乳化安定剤として広く使われています。このほか医薬品分野では、錠剤の結着性付与、パップ剤(湿布薬)の増粘性付与、点眼剤(人工涙液)の潤滑性付与などにも使われています。また化粧品にも、皮膜形成剤、親水性増粘剤、乳化安定剤として用いられています。このほかのCMCの特性と用途については、CMC工業会のホームページに詳しい説明がありますので、ご参照ください。

今まで説明したCMCは、セルロース繊維から作られるCMCですが、日本製紙がセレンピアTMという商品名で販売しているCMCは、繊維の径が数nm~数百nmであり、従来のCMCとは形状が異なります。日本製紙が各所で説明している内容によると、従来のCMCとは明らかに異なるレオロジー挙動を示しています。これは正確にはカルボキシメチル化セルロースナノファイバー(CM化CNF)と呼ぶべきもので、同社の資料でもそのように表記していますが、一方でCMCであるとの紛らわしい表現もあります。従来のCMCとCM化CNFは異なる物質であることに注意が必要です。

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