セルロースフィラメント

セルロースフィラメント、ナノセルロースではないが特性は似ている

セルロースフィラメントは木材パルプに水を加えて機械解繊のみで作られるセルロース繊維で、繊維径は80~300nm、繊維の長さは100~2000μm、アスペクト比は1,000です。カナダの森林木材分野の公的研究機関であるFPInnovationsが開発した技術を、カナダの製紙会社KrugerがFiloCellの登録商標名を付けて2014年に商業化し、現在関連会社のKruger Biomaterials Inc.が製造・販売しています。生産設備はケベック州のトロワリヴィエールにあり、設備規模は日産6tといわれています。製造にあたって、化学薬品、酵素などは使用していません。
このほか、同社のホームページに掲載されている特性値は、比表面積80m2/g以上、密度1.45g/cm3、生分解性・コンポスト性あり、水溶液中でチキソ性を示す、湿潤状態、乾燥した羽毛状、水溶液の状態で供給可能、リグニンを含まないとのことです。なお2016年に筆者がKrugerの社員から聞いたときは、平均径は50nm、アスペクト比は300~3,000と説明していたので、5年余りの間に性状を変更した可能性があります。

セルロースフィラメントの強みは2つあります。1つはナノ物質ではないこと。縦・横・高さのいずれかが1~100nmである物質が、全体の50%以上あるとき、ナノ物質といわれます。逆に径が100nmを超えている繊維が半分以上を占めていれば、ナノ物質ではありません。ナノ物質に対するアレルギーがある欧州では、この特徴は強みになるでしょう。2つめは、乾燥することができることです。同社では湿潤状態、水溶液の状態以外に、羽毛状のパウダーで製品を出荷しています。具体的には製品を1~2m3の容量のフレコンパックに入れ、出荷しています。

繊維の半分以上の径が100nmを超えていたとしても、セルロースナノファイバーと近い性質を示します。用途としては熱硬化性・熱可塑性樹脂への添加、コーティング材へのチキソ性・増粘性の付与、包装材料、接着剤への適用、オイル・ガス掘削への適用などが考えられているようですが、特殊紙の紙力増強、セルロースフィラメントのフィルムを文化財の修復に利用、コンクリート、プラスチックへの添加については、具体的なデータが得られているようです。

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