ナタデココ

バクテリアナノセルロースは、微生物によって合成されるセルロースナノファイバーの一種で、通常、径が20~50nm(ナノメートル、1nm = 1/1,000,000 mm)、長さは100nm~数μm(マイクロメートル、1μm = 1/1,000 mm)です。

BNCのサイズの図解

酢酸菌という細菌は、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)などの単糖を原料にセルロースを合成します。セルロースはグルコースが3,000~6,000個つながったものですが、酢酸菌は自分の体の表面に多数存在するセルロース合成ポイントで、これらの糖を原料にしてセルロースミクロフィブリル(セルロースナノファイバーの最小単位で径が3~4nm)を合成します。そしてこれが束になることで、バクテリアナノセルロースが作られます。

植物を分解して作るセルロースナノファイバーは、処理条件により繊維の径、長さに分布が生じ、しかも植物の成分が混入する可能性がありますが、バクテリアナノセルロースは糖を原料として合成するため、性状が均一で、セルロースの純度が高いといわれています。またセルロース繊維は固い結晶構造と比較的やわらかい非晶構造からできており、木材パルプの場合はそれぞれ50%ずつといわれていますが、バクテリアナノセルロースでは75%が結晶構造であるという特徴があります。

バクテリアナノセルロースは植物を分解して作るナノセルロースに比べて製造コストが高いため、アプリケーション開発は、創傷被覆材、骨細胞培養基材、人工血管、心臓弁、ドラッグデリバリーなどのバイオメディカル分野、フェイスパックなどのコスメティック分野、酸化グラフェン、銀ナノワイヤーとの融合による先端デバイス分野で進められており、一部は商品化されています。また研究開発が活発な国は、ポーランド、ドイツ、オーストリア、スペイン、ポルトガル、ブラジルで、植物由来のナノセルロースの研究開発・実用化が進んでいる国とは異なります。

ところでデザートとして食べられるナタデココがバクテリアナノセルロースであることは、ご存じでしょうか(写真)。ココナッツジュース(グルコースを含む)に酢酸菌の一種であるナタ菌を加えて2週間ほど静置すると、液体の表面に寒天状の膜ができます。これを煮沸・洗浄して食べやすい大きさに切ったものがナタデココです。ちなみにナタデココ(nata de coco)とは、ココナッツの上澄み皮膜という意味だそうです。また余談ですが、1970年代に流行した紅茶キノコの瓶に浮かんでいた寒天状の物質も、バクテリアナノセルロースです。現在はコンブチャと名前を変えて、流行し始めています。

ナタデココナタデココ nata de coco(ココナッツの上澄み皮膜)

BNCのトレイによる静置培養2Lトレイによる静置培養

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