生分解性

生分解性あります、でもそれはセルロースも紙も同じこと

生分解性とは、自然界において微生物等が関与して環境に悪影響を与えない低分子化合物に分解されることです。基本的にはナノセルロースには生分解性があるといって差し支えないでしょう。ただ、「環境に影響を与えない低分子化合物」という点に注意が必要です。

まず、セルロースはセルラーゼという酵素(正確には多種類の酵素の混合物)によって分解され、グルコースやセロビオースになります。自然界にはセルラーゼを産生するカビ、酵母、キノコなどが多数存在しています。枯れて倒れた木は何年もかかりますが、いずれ腐って、二酸化炭素と窒素化合物になります。これはセルラーゼを産生する木材腐朽菌という微生物によるものです。

自然界で作られたセルロースや、それを細かくして作ったナノセルロースは、間違いなく分解されますが、化学修飾したナノセルロースはどうでしょうか。環境に影響を与えるかどうかは、どのような化学修飾されたかによりますので、すべてのナノセルロースに生分解性があるとは言い切れません。

次にナノセルロースをプラスチックに配合した複合材料はどうでしょうか。これはプラスチックそのものに生分解性があるかどうかによります。国内でセルロースナノファイバーで強度を増した複合材料の生産が始まっていますが、石油由来のプラスチックに混ぜたものと、生分解性プラスチックに混ぜたものとがあります。石油由来のプラスチックに混ぜた複合材料は、生分解性がないと考えてよいでしょう。

余談ですが、最近、マイクロプラスチックなどによる水環境の汚染が問題になっています。海外でナノセルロースの研究をしている方は、プラスチックによる海洋汚染のスライドをよく使います。水環境中にはセルロースを分解する微生物がほとんどいないため、分解される可能性は低いのですが、セルロース繊維やナノセルロースは環境に悪影響を与えることはなく、分子量が小さいため、何ら問題はありません。一方、生分解性ブラスチックの中でもポリ乳酸(PLA)やバイオポリブチレンサクシネート(PBS)は水環境中では分解されにくいため、ポリヒドロキシブチレート(PHB)やデンプン由来のものを使う必要があります。

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