動物由来のナノセルロース、結晶化度は高いが値段も高く研究用

ホヤ(海鞘)という海産動物をご存じでしょうか。英語ではTunicate(チュニケート)といいます。ホヤは尾索動物というグループに属しており、体長は10~20cm、直径は10cmです。体に入水孔と出水孔という2つの口があり、水中のプランクトンをろ過して餌にしています。また体は被のうと呼ばれる外皮で覆われています。被のうはセルロースからなる固い膜で、水中で移動できないホヤを外敵から守っています。日本ではマボヤが東北地方を中心に生産されており、外皮を剥いて中身を刺し身、酢の物、和え物、から揚げなどにして食べます。ホヤは韓国に輸出されていましたが、原発事故の影響で韓国が輸入を停止し、ホヤの消費が減少しました。またホヤの被のうはもともと食べられないので、これを原料としてセルロースナノファイバーを製造する動きが、一時期、東北地方で見られました。

ホヤ

ホヤの被のうに含まれるセルロースは純度が高いため、純度・結晶化度が高いナノセルロースを作ることができます。海外の研究論文を読むと、Tunicateから作ったセルロースナノファイバー、セルロースナノクリスタルを実験に使っているケースが少なからずあります。

ホヤからセルロースナノファイバーを作るには、まず原料となる被のうを10%水酸化カリウム溶液に24時間浸して、セルロース以外の成分を溶解させます。これを水洗いしたのち、次亜塩素酸ナトリウムで漂白します。この作業を何回か繰り返すことで得られた純粋なセルロースを原料に、さまざまな方法で、ホヤからナノセルロースを得ることができます。

ホヤから作られたセルロースナノファイバーは結晶化度が95%以上であるといわれています。一方ホヤは、1個当たり300g程度で、卸売価格は1個あたり100~200円だそうです。ホヤのセルロースを微結晶化したものが試薬として国内で販売されていますが、0.2W/V%の懸濁液50mlで6万円です。これはナノセルロースではありませんが、乾燥重量1kgあたり6億円という、とんでもない価格になります。なお以前、ホヤから製造されたセルロースナノファイバーがスピーカーの振動板に使用されたことがあったそうです。

ホヤの殻と可食部殻と可食部
「旬の食材百科」から引用 https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/

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