セルロースナノファイバーのハイドロゲルを使い、世界で初めて生体外で臓器を作製

2020.11.27 

セルロースナノファイバー(CNF)のハイドロゲルを使い、オルガノイドの作製をサポートすることに、オーストラリアのモナッシュ大学の研究チームが世界で初めて成功したことが、同大学のニュースリリース(11月26日付)で発表されました。オルガノイドとは、動物細胞を使って、試験管内など生体外に三次元的に作られた臓器のことで、臓器に特異的な種類の細胞の集合体です。臓器の機能、例えば排泄、濾過、神経活動、収縮などを再現することができるもので、11月11日付で当サイトのニュースで取り上げた、ナノセルロースによる三次元オブジェクトとは本質的に異なるものです。

オルガノイドは、幹細胞、健康な組織の細胞、癌細胞などから作られますが、長期間使用する場合は、マウス肉腫の基底膜に由来するEngelbreth-Holm Swarm(EHS)マトリックス内に埋め込まれます。オルガノイド培養は、この高価で未定義の腫瘍由来物質に依存しているため、価格が高いことと生化学的に変動することが課題となっていました。新たに開発した方法は、コストを1/600に削減するとともに、動物由来の物質を含まないため、組成が完全に制御され、再現性があります。

研究グループでは、99.9%の水と0.1%の固形分から構成されるCNFハイドロゲルを使って、マウス由来の小腸オルガノイドを作製しました。ハイドロゲル中のCNFは、オルガノイドの成長と増殖に必要な微小環境を提供します。

この方法を使うことで、オルガノイドをより安く、より速く、より倫理的に作製できます。さらにこの方法は、1年以内に実用化できる見通しがあるそうです。オルガノイドはCOVID-19のような感染症に対する薬物スクリーニングや、糖尿病、がんなどの疾患モデルを使った治療法の開発など、さまざまな用途で用いることができます。

この研究は、BioPRIAとモナッシュ大学の共同研究によるもので、その成果はAdvanced Scienceで発表されました。

また詳しい内容は、モナッシュ大学のニュースリリースでご確認ください。

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